初優勝の成田美寿々「メジャーよりも金メダルが欲しい」
国内女子ツアー「富士通レディース」の最終日に、5バーディ、ノーボギーでラウンドし通算9アンダーで逆転優勝を果たした成田美寿々は、今年の目標に掲げたツアー初優勝を現実のものとした。もう1つ掲げていたツアーの最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に出場という目標も、今回の優勝で権利を掴むことになった。
そんな成田には、その先の目標もある。それは2016年にブラジルのリオデジャネイロで開催されるオリンピックに出場することだ。現状では出場人数や競技方法などが決定していないが「やっぱりその時に日本で一番になっていないと選ばれないと思うので」と、オリンピック開催前に日本一の選手になることを目指している。
そのために自分がすべきこと、という話を成田は家族と話し合っているという。「1年1年、やるべき課題があって、4年後に結びつく。まずは今年の目標を達成出来ましたが、まだまだ課外は山盛りです」とは、娘の優勝を目の当たりした父親の俊弘さん(57歳)。
当の成田自身も「ゴルフのメジャータイトルよりも、オリンピックの金メダルのほうが欲しいですね」と身を乗り出す。小学校時代のミニバス(バスケットボール)に夢中だった少女は、中学入学前の春休みに父親のゴルフ練習についていき、そこでジュニアレッスンに出会った。中学入学後はソフトボール部に属しながらも、毎週土曜日にはゴルフレッスンに通い、月に1回はハーフラウンドを行っていた。
本格的にゴルフに打ちこみ出したのが高校に入ってからという成田は、他の競技に触れてきたこともあり「スポーツで一番になるというのはオリンピックで金メダルを取ることだと思います」と、今年のロンドンオリンピックの選手たちの気迫や真剣勝負に心を奪われた。
優勝スピーチでは「まだ今年も試合がありますので、あと1勝できるように頑張ります」とギャラリーに向かって語った成田。目標を1つクリアし、すぐに上方修正して新たなステージを目指す。4年後の日本一への階段を上り始めた。(千葉県千葉市/本橋英治)