前半不調・・・フォンを襲った“ズボンの災難”
好調なショットでボギーを僅か1つに抑え、単独首位で「日本女子オープン」初日を終えたフォン・シャンシャン。迎えた2日目はしかし、2番、7番、8番とボギーを立て続けに重ね、前半に首位の座から陥落する。ショットが安定せず、フォンらしからぬ一転しての変調。実はこの時、フォンはプレーに集中しきれない、ある“緊急事態”に見舞われていた。
フォンの組についていたギャラリーは、不思議に思ったかもしれない。スタートホールの1番、2番は赤を基調としたズボン。しかし、3番からは雨も降っていないのに、黒のレインウェアを着用。さらに後半10番からは白いズボンに履き替え、計3着のズボンでプレーをしていたのだ。
「最初からトラブルが続出で・・・」と切り出すフォン。スタート前にズボンのボタンが外れてしまい、ベルトだけでズボンを支えた状態で止むを得ずティオフ。替えのズボンは用意しておらず、3番からは仕方無くレインウェアを着用した。その間、幸いにも観戦に来ていた母親にホテルまで替えのズボンを取ってきてもらい、ようやく届いた白ズボンに後半から履き替えることができた、というわけ。
「それからは落ち着いてプレーが出来たけど、前半はショットに集中できずメチャクチャになっちゃいました」。その後半は1バーディ、1ボギーとイーブンにまとめ、再び単独首位の座を奪回。「母が来てくれていて、ラッキーでした」と笑いながら災難を振り返った。
メジャー戦を包む緊迫感からかけ離れた、思わず頬が緩んでしまうトラブルとエピソード。興味津々の様子で話しを聞く報道陣に対し、「明日もズボンを3枚持ってきて、履き替えましょうか?」と笑いを誘うトドメの一言。海外メジャーチャンプは、リップサービスも抜群だ。(神奈川県横浜市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。