諸見里、大一番を前に「やっと戻りつつある」
日中を通して強い風に見舞われ、全体的に伸び悩む展開となった「リゾートトラストレディス」最終日。その中で躍動を見せたのは、通算1アンダー36位タイはインスタートの3組目、いわゆる“裏街道”からスタートした諸見里しのぶだった。
「風は強くて舞っていましたが、思った通りの感じで吹いてくれていたので迷うことなくいけた」と、序盤からバーディを重ねる。11番(パー5)で4mを沈めてバーディを先行させると、14、15、17番と続けざまに伸ばしてリーダーズボードを駆け上がる。後半も1つ伸ばし、5バーディ、ノーボギーと磐石の内容。この日のベストスコアとなる「67」をマークし、通算6アンダー6位タイへのジャンプアップを果たした。
開口一番「ノーボギー、それが一番嬉しいですね」と笑顔を弾かせる諸見里。その原動力となったのが、今週から替えたというL字型パターだ。契約するテーラーメイドのプロトモデルで、「練習で使ったらスコスコ入った。メチャクチャいいですよ」とご満悦。最終日も26パットに抑えるなど、「すごく良い武器を手に入れました」と目を細める。加えて、今週の課題に掲げていたウエッジも好感触。この日、パー5で奪った3つのバーディを引き合いに出し、「パー5のバーディはウエッジとの絡みが多かったので、全部褒めてあげたい。私にとって、自信が持てるバーディになった」と、ショートゲームへの手ごたえも口にする。
年間6勝を挙げた09年から、長く遠ざかっているタイトルの味。優勝戦線にもなかなか絡めない不遇の時期を送っているが、「やっと、戻りつつある感じです」と、自身の中で明るい兆しは着実に強さを増している。「流れが来た時に、一気に乗れるように準備しておきたいですね」。次週は、六甲国際GCで開催される「サントリーレディス」を迎える。勝って知ったるホームコース、“流れ”に乗るには格好の舞台。華やかな優勝争いの裏で、思い入れ深い次戦に向けた準備を静かに整えながら、諸見里は復活の時を待つ。(長野県北佐久郡/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。