2勝目の笠「勝ちたい試合で勝てた!」
強風との戦い、例年アンダーパーが数名という展開になる「ヤマハレディースオープン葛城」を制したのは、通算3アンダーをマークした笠りつ子だった。大会2日目が降雨によりコースコンディション回復が見込めないために中止になり、2日間36ホールでの戦いとなった。
最終組の3組前で10時にスタートした笠は、15番からの上がり4ホールで3バーディを奪い、混戦を一気に抜け出して優勝を決めた。最終組のプレーを待って勝利が決まった瞬間の笠は「この試合で勝つことが目標だったので嬉しいです」と、試合前から優勝を狙っていたことを打ち明けた。
それは、笠が姉のように慕う古閑美保が、ツアーで最後に優勝を果たした大会ということ。それと漠然ではあるが、4月中にはツアー2勝目を果たしたいと考えていたという。「優勝が決まって、表彰式の前に古閑先輩に電話をしました」と言う笠。古閑からは「知ってる。あのブレザー、私の次に着るんだね」と返された。
古閑が現役引退をして「昨年まで食事も一緒にしてもらっていたので、寂しいですが、少しずつ慣れてきました」と心情を語る。その古閑から、所属契約を引き継いだ笠は、優勝会見の最後に「ひとこと言ってもいいですか?」と前振りをし「私の所属先の名前が今日、4月1日に変わりました。京セラドキュメントソリューションズに変わりました。所属先への恩返しが出来ました」と、アピールも忘れなかった。
今月の目標を1日目で達成した笠は「今後は1位の人を目標にして頑張ります」と、新たに掲げる。1位の人というのは、賞金ランキングでトップに立つ選手で、その選手と自分とで何が違うのか、何が足りないのかを考えて進化したいというもの。もちろん自分自身が1位の人になることも視野に入れている。憧れの古閑が優勝した試合で勝つことができ、古閑も獲得した賞金女王の地位を今季掴むことになるかもしれない。(静岡県袋井市/本橋英治)