リカバリー率No.1、難コースで躍動する上原彩子
2011/09/30 19:40
メジャーセッティングに仕立てられた名門・和合が牙を剥き、予選ラウンドを終えてイーブンパーが消えた今年の「日本女子オープン」。88年のツアー制度施行後では、首位がオーバーパーで予選ラウンドを終えるのは04年以来7年ぶり。今大会に限れば10年ぶりとなる。
深いラフに打ち込めばパーオンは難しく、1つペナルティを課すに等しい状況。グリーンを外した時にいかに耐えられるか、つまりはリカバリー能力がスコアを大きく左右する中、ツアー屈指のショートゲームの名手、上原彩子が首位に2打差で決勝ラウンドを迎える。
得意クラブはアプローチウエッジ。今シーズンのリカバリー率(パーオンしないホールをパーより良いスコアで終える率)でもトップを走り、昨シーズンも同2位。その粘り強さは、今週のような過酷なセッティングの中で一層の輝きを放っている。10位タイで迎えた2日目は、4番、7番の2つのパー3でいずれもチップインバーディをマーク。「入ってくれて気持ち良かった」と持ち味を発揮し、首位争いへと加わる原動力となった。
「アプローチの感覚は良いですね。みんな同じように苦しいと思うし、この後もガマン勝負になると思うので頑張りたいです」。飛距離ではハンデを負う上原にとって、ガマン比べの展開は望むところ。玄人好みのキラリと光る渋いプレーで、決勝ラウンドも大ギャラリーを沸かせてみせる。(愛知県東郷町/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。