美香、トーナメントリーダーの想い
米ツアーを主戦場とする宮里美香が日本ツアーに出場するのは、5月の「フンドーキンレディース」以来で今年4戦目。次週の「日本女子オープン」はディフェンディングチャンピオンとして臨むとあって、そのプレッシャーは小さくないはずだ。
今週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」は被災地での試合とあって注目度も高く、米ツアーでプレーしているときと比べると数倍、数十倍のギャラリーに囲まれてのプレーとなる。メディアの数も同様で、宮里にとっては(美香だけでなく、藍にとっても)そんな周囲の雑音との戦いとも言えるだろう。
普段アメリカで取材することの多い宮里は、いつも沖縄人らしいゆる~い雰囲気で気さくに話に応じてくれる。しかし、昨日のプロアマ戦のパーティ終了後に話しかけると、「ちょっと待ってもらっていいですか?」と珍しく記者を制し、練習場への歩を急いだ。
選手によってはごく当然の行為だが、アメリカでの宮里の雰囲気と比べるとやはり張り詰めている空気を感じたのが昨日の話。この日のラウンド終了後、打撃からアプローチ練習場へと移動する宮里に偶然会うと、「昨日はすみませんでした」とわざわざ気を遣って言葉を掛けてくれたが、やはりこちらから話を聞くのがためらわれるような雰囲気をトーナメントリーダーは醸し出していた。
「(震災は)日本人として忘れちゃいけない出来事だと思うけど、考え過ぎてプレーに集中できないのも良くない。皆さんに良い報告をするのが、私にできることだと思う」。会見での宮里の言葉を思い出し、そっと遠くから眺めるにとどめた。(宮城県利府町/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka