大山志保、パターのバランスを知り単独首位へ
国内女子ツアー「マンシングウェアレディース東海クラシック」の2日目、前半9ホールを3バーディ、3ボギーで折り返した大山志保が、後半に5つのバーディを量産し混戦を抜け出した。通算8アンダーは2位に1打差の単独首位、2008年以来のツアー12勝目に王手をかけた。
その大山はバーディ量産の要因を「先週から使い始めたパターですね」と話す。以前からマレット型のパターを使用してきた大山だが、5月から使い始めたという同タイプのパターに換えると「右に曲がるラインは大丈夫なのですが、ストレートや左に曲がるラインだと多めに(左へ)曲がっていたんです」という。
そして2週間前にコーチの鶴見氏が練習ラウンドに来てくれたのでそのことを相談すると、早速メーカーの担当者を呼んで3人でパターのチェックを行った。「私、今までゴルフをやってきて、マレット型のパターは全部フェースバランスだと思っていたんです。そしたら、その時使っていたのがトウバランスだということが分かったんです。恥ずかしいですね」と告白する。
たしかにマレット型はシャフトに指を添えるなどしてバランスを測ると、フェース面が上を向くフェースバランスタイプが多い。しかしシャフトの入り方によってはトウ側が重く下を向くトウバランスのものも存在する。
そのことに気づかずに使用していた大山は、クラブの特性で左に出やすいことを自分の打ち方が悪いものと考え、時には読んだラインよりも右方向に押し出したりすることで調整してきた。
さっそくコーチのアドバイスでフェースバランスのパターに換えたのだが、先週は以前の癖が出てしまい、逆に右に外すミスが多かったという。「やっとパターの特徴を掴むことが出来ました」とこの日ラウンドで納得のいくパッティングをした大山。それでも、「まだ1日だけなので、確信はないですけど」と付け加える。
その証拠に、いつもなら長いバーディパットを決めた大山は派手なガッツポーズを見せてきてが、この日のアクションは右手を握りしめる程度の小さなものだった。「まだ、自信がないんで派手なポーズができませんでした」と照れる。明日の最終日、ウィニングパットを決めた時には、カップとは逆方向でもギャラリースタンドに向き直って、両手を挙げる大山式のガッツポーズを3年ぶりに見ることが出来るはずだ。(愛知県知多郡/本橋英治)