2011年 日医工女子オープンゴルフトーナメント

ボベが噛み締める“ゴルフができることの幸せ”

2011/07/02 18:38
2週間の入院生活が、宋ボベの心にこれまでに無い感情を芽生えさせた

「こんな結果は、ぜんぜん意識していなかったですよ」。この日のベストスコアタイとなる「66」をマークし、通算11アンダーで「日医工女子オープン」トーナメントリーダに立った宋ボベは、好調続きの予選2日間をこう振り返った。

実はボベ、扁桃腺を腫らしたことでここ2試合を欠場。今月8日に韓国に帰り、2週間もの入院を強いられていた。日本には先週の日曜日に戻り、今週の水曜日にコース入り。その間は安静を貫き、クラブを握ることすらできなかったという。

「2週間も入院をしたのは初めて」と病院で長い時を過ごす間、ボベの中でこれまでに無かった感情が芽生えた。「ゴルフがしたくて、仕方がなかったんです」。ようやくクラブを握った水曜日の練習ラウンドでは、ゴルフができる幸せを噛み締めていたという。「結果はどうなるか分からないけど頑張ろう」。無欲の気持ちで迎えた今週だが、蓋を開けてみれば2年ぶりの優勝に王手をかける活躍ぶり。だが、ボベの頭の中にはスコアへの執着はまったく無い。「スコアよりも、ゴルフをできることが楽しい」。

その気持ちは、最終日最終組を前にしても変わらない。「明日もスコアが良くても悪くても、スマイルをしながら頑張りたい」。ゴルフから離れて痛感した、プレーできることへの幸せと喜び。このピュアな気持ちを取り戻せたことが、今週のボベの強さに繋がっている。【富山県富山市/塚田達也】

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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