サングラスで守る『未来の眼』 ジュニアゴルファーへの推奨と道半ばの理解
2017年に現役を引退した女子プロゴルファーの宮里藍さんが14日、女子ジュニア大会「宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY」(PGMゴルフリゾート沖縄)を開催した。中学1年生から高校2年生までのジュニアゴルファー35人が参加した。
2日間36ホール競技を含む3日間のスケジュール。プレー以外には講義も行われたほか、コース横にはアイウェアブランドのオークリーが『守るのは未来の眼。』と題してテントを構えた。7種類、色鮮やかなサングラスを初めて手にするジュニアに対して、スタッフ8人が総出でフィッティングのアドバイスを行った。
サングラスをかけることで眼から入る紫外線を防ぎ、白内障などの予防にもつながる。屋外で長時間プレーするゴルフへの有用性も高く、疲れやすさの低減に加え、グリーンの芝目が見やすくなるゴルフ専用モデルも販売されている。
多くのメリットを期待できる一方で、第1回大会から協賛してきた同社の永山華奈さんは「日本ではサングラスの心象が悪い。(病気の)予防でかけてもらう機会を増やして、文化も変えていけたら」と現状を明かす。
プロゴルファーからは、年齢を重ねてボールの落ち際が見えなくなるという話が届くという。同社は国内ツアーで男女プロゴルファー約50人をサポート。男子では松山英樹や平田憲聖、女子では原英莉花、安田祐香らの眼を守ってきた。
宮里藍さんもジュニアに「眼を守ることで選手を長く続けることができた」と力説。サングラスを着用しながらプレーし、大会を制した吉崎マーナは「私は元々、距離感が変わるのもあって、着けるタイプじゃなかった。でも、今回オークリーさんのを使ってみて、外したときのギャップもなかった」。これまでは強い日差しで眼が痛くなることもあっただけに満足顔だ。
日本社会におけるサングラスへの理解も少しずつだが進んできた。陸上の箱根駅伝では30%の選手が着用し、高校野球でも横浜高や仙台育英高の選手が使用するなど浸透がうかがえる。屋外で活動する警察官への着用も認められた。
守るのは未来の眼。ゴルフにおいてもジュニア大会での草の根の運動を続けることで、未だ根強く残るサングラスへの偏見も変わっていくかもしれない。(編集部・玉木充)
■ 玉木充(たまきみつる) プロフィール
1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。