国内女子ツアー

女子ゴルフ人気はいつまで続く?

2006/11/15 18:00
長年、日本のゴルフ界を背負ってきただけに、中嶋の言葉には重みがある

ダンロップ・フェニックス開催週の火曜日。練習場のタイガー・ウッズに、「全英オープンでの優勝おめでとう!」と言いに行こうと思ったという中嶋常幸だったが、タイガーは中嶋の顔を見るなり、「先週はおめでとう!」と、彼の52歳でのレギュラーツアー制覇をねぎらった。「最終日、一緒に最終組で回れたら面白いね」という中嶋に、タイガーが「そうだね」と答えるなど、2人の再会は笑顔に終始した。

中嶋は、「モーツアルトを見ているようで、理想的」とタイガーを評する。「姿、形、そして旋律っていうのかな、スイングのリズムが素晴らしい」。さらに付け加えたのは、タイガーの変化を恐れない姿勢だった。

奇しくも、この日の会見でタイガーが「ゴルフは終わりの無い戦い(Never Ending Battle)」と話していたが、世界一のタイガーですらスイング改造に挑んでいること、そして技術の進歩に伴って460ccの大型ヘッドのドライバーを導入するなど、新しい事にトライし続ける姿勢に、中嶋は勇気を貰っているという。「最初はこんな大きなヘッドで打てるかって思ったけど、タイガーが変えたんだから、へんなこだわりは捨てた方がいい」、といった具合だ。

そんなスーパースターを得たPGAツアーが大いに盛り上がっている一方で、今の国内男子ツアーは人気低迷に喘いでいる。中嶋はいう。「(男子ゴルフの人気回復は)スターではない、スーパースターの出現を待つしかない。藍ちゃんのように、ゴルフを知らない人でも知っていて社会現象になるような選手の出現を。でもね、だからこそ今は、そういう選手が出てきてもいいように、トーナメントを活性化させないといけない。選手層を厚くして、高い次元のゴルフを見せられるようにしないといけない」。
道具、選手、そしてツアーまでもが変化の大波にさらされているゴルフ界。今が旬の国内女子ツアーも、その変化とは決して無縁ではない。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka