アマチュアとして世界を目指す原江里菜
今大会が開催されている宮城県の東北高校から東北福祉大学に進んだ原江里菜(18歳)。同い年の有村智恵は東北高校を卒業後、今年のプロテストをトップ通過し、今ではプロの一員として堂々とツアーを渡り歩いているが、原にとって“プロ”という肩書きはそんなに焦って手に入れたいものではないそうだ。
「今はアマとして海外の試合に多く出たいです」。
きっぱりと原は言う。日本では経験出来ないコースや、出会ったことのないプレーヤー。そんな刺激的な環境を求めて、日本という枠を飛び出したいと思っている。今、目の前にある目標は、10月18日から南アフリカで行われる「エスピリトサントトロフィー世界女子アマチュアゴルフチーム選手権」での優勝だ。
今年は宮里美香、森田理香子と組んでの出場となる。原自身は04年にも出場し、団体4位、個人14位という成績を残している。「去年からの目標でした。このために大学に行きましたから」。
身長は164cmと大きく、その潜在能力を高く評価する関係者も多い。そんな原が理想とするゴルファーは、やはり高校の先輩・宮里藍だ。「自分でアメリカに行くって決めて、その目標に向かって妥協をしないところとか、すごいと思います」。それに、あれだけ有名になっても昔と変わらずに声をかけてくれるんですよ、と笑う。
今年のQTはファーストを通過しているが、次のプロテストを受けるかどうかは決めていないという。「自分で稼いだお金でアメリカに行くのが夢ですね。向こうでゴルフの勉強がしてみたいです」。理想のゴルフ環境を追い求める中で、日本でプロになるというのは一つの選択肢に過ぎないということだ。
この日は風に苦しんで4オーバー。だが人生の向かい風は大歓迎だ。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka