藤田幸希「お父さん、お母さんの子でよかった!」優勝の裏に家族の力(応援)あり!
「プロミスレディス」最終日の優勝争いは白熱した戦いになった。最終日を9アンダーの単独首位で迎えた藤田幸希はスタートの1番パー4でバーディを奪ったが、続く3番でボギーも叩きスコアを伸ばせず苦しい展開となった。首位と2打差の7アンダー、2位タイでスタートした古閑美保は2番から3連続バーディを奪い10アンダーで首位に立った。中盤、古閑が一歩リードし、藤田が追う展開が続いた。15番パー5で先にバーディを奪った藤田が小さくガッツポーズを決めれば、古閑も入れ返し首位を譲らない。
ラウンド中、古閑、藤田のプレーを見つめる2人の親を発見。スリクソンのロゴにスポンサーのソニープレイステーションとキリンビバレッジのマークの入ったキャップを被っているのは古閑の父親。九州地区の大会は観戦に行くが、今回こそ優勝シーンを見ようと今シーズン2度目の観戦に訪れた。「もうちょっとなんだよね」と一言残し、娘のプレーに集中していた。
一方、藤田家はほとんどの試合に両親と兄が応援に駆けつけている。中盤、スコアを伸ばせず苦しむ娘のプレーを見つめ父親は「まだまだですね」と一言。今大会の会場に向かう車の中で藤田の父は「もう6回もトップ10入りしているんだから、そろそろ優勝を意識してもいいんじゃないか」と娘に話していた。最終18番ホールでのバーディパットで藤田が古閑に追いつき、プレーオフに突入。その1ホール目で藤田が下り5メートルのバーディパットを決めると、大きな声で「ヤッター!」と喜びを表現したのも父親だった。テレビ用の優勝インタビューでご両親に一言、と振られた藤田は「お父さん、お母さんの子供に生まれてきて幸せです。ありがとう!」と涙ながらに答えた。
「優勝賞金の使い道は?」と聞くと「小遣い制なので、賞金は親の懐に入ります。でも優勝したから30万円くらいはもらいたいですね」。最後はいつも通りの笑顔で答えてくれた。そんな娘を見つめる父親は、これからも全面的にバックアップしていくことを私に宣言して会場を後にした。(編集部・本橋英治)