合格率3.9% 狭き門を突破した新人6人のデビュー戦
◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(25日)◇滝のCC(北海道)◇6578yd(パー72)
6月のプロテストに合格した6人がデビューを果たした。岩井明愛、岩井千怜の双子姉妹に加えて、小倉彩愛、後藤未有、佐久間朱莉、山田彩歩が北海道のギャラリーの声援に応えた。
受験者561人でプロテストに合格したのが22人。合格率3.9%の狭き門を突破して、晴れの舞台にたどり着いた。合格率でいえば、例年4%前後といわれる司法書士の難関試験並み。人気競技の厳しさがうかがい知れる。
もちろん、合格しただけでバラ色の未来が約束されているわけではない。2019年プロテスト1位イ・ソルラ(韓国)は21年に出場した全12試合で予選落ち。18年同1位のエイミー・コガも21年に出場した19試合中、10試合予選落ちでトップ10もなし。2人ともツアー未勝利と苦しんでいる。
ただ、歴代1位となるツアー50勝で生涯獲得賞金13億円超の不動裕理は1996年のプロテストに合格。同年の新人戦こそ制したが、翌97年のデビュー戦「再春館レディース」は予選落ち。ツアー初優勝は99年「伊藤園レディス」まで待たなければならなかった。女子ツアーのレジェンドと呼ばれる選手でもそう簡単に頂点に立てたわけではなかった。
大会を終えて後藤は42位、小倉は49位、岩井姉妹の姉・明愛は59位。妹・千怜、佐久間、山田は予選落ちに終わり、予選通過率は50%だった。
岩井明愛は「アマチュアのときは何も背負っているものがないというか、本当に気楽にプレーしていたと思うけど、プロになると少しプレッシャーの中でやらなければならない。それをそんなに重く考えずにいけば、予選通過はそんなに苦しくないんじゃないか。もう少し気持ちをコントロールできれば上の方で戦えるのかな」と4日間を振り返った。
目の前の一打で賞金が数百万円違ってくる勝負の世界。それぞれにとって忘れられないデビュー戦となったに違いない。(札幌市南区/玉木充)
■ 玉木充(たまきみつる) プロフィール
1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。