雨の日のルーティンを磨く
朝から激しい雨が降り続いたマスターズGCレディス初日、4アンダーで首位タイに立ったポーラ・クリーマーは、この日のタフなコンディションについて、こう振り返った。「今日は傘をさしたり、タオルを使ったりして、手を乾かしておくことに気を遣いました。でも、私たち(クリーマーとキャディのコリン)はとても良いシステムを持っていて、スムーズに出来ましたね」。
クリーマーと同組で回った上田桃子は、その様子をつぶさに見ていた。「ちょっとでも気になったら、タオルで拭いて仕切りなおすし、徹底しているなと思いました。私だったら、プレーが遅くないかとか気にしちゃうので、いい勉強になりましたね」。
確かに、雨の日はスイングテンポが早くなるので、ゆっくりするよう気をつけているとか、モーガン・プレッセルのように両手に手袋をはめて水による滑りを防いでいるなど、選手独自の雨対策は多くある。しかし、クリーマーの“システム”という言葉が象徴するように、キャディとの一連の動きをルーティンにまで取り入れて、それを実行している選手はほとんどいない。
どこまでやっているかを聞く事は出来なかったが、グリップを拭くタイミングや傘を持ったキャディが選手から離れるタイミングなども、すでにルーティンとして組み込まれているのかもしれない。
「雨が降ってタフなコンディションになった方が私にとっては有利」というクリーマー。理由として自身の強い精神力を挙げていたが、それだけではなく、このように徹底した準備というのも、その自信の裏付けになっているのだろう。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka