勝利の女神を味方につけた馬場ゆかり
熊本空港CCで行われている「ライフカードレディス」。ここ3年の優勝者は、07年上田桃子、06年不動裕理、05年横峯さくらで、上田と横峯はともにプロ初優勝をこの地で上げている。熊本出身のゴルファーも数多く、不動、上田、古閑、有村、井芹、成田、笠、一ノ瀬らが、地元の声援を受けプレーをした。
「みんな絶対このコースの難しさをわかっとらん」。大会初日は「74」。地元の期待と注目を浴びた古閑美保だが、グリーンに載せただけでは拍手すら貰えない、熊本の厳しいギャラリーに思わず不満が口をついた。
過去2度の優勝を誇る不動裕理も、「地元なのに、コースがこんなにいじわるなんて思わなかった」と悲しげ。ナイスショットが木の後ろに止まったり、ピンチなのにディボットだったり、アプローチが2回もピンに当たったのに入らなかったり…と、つらい仕打ちに打ちひしがれた。
たしかに、このコースはフェアウェイの真ん中に木があるなど、運不運もスコアに大きく影響する。厳しいギャラリーと、ある意味理不尽な運の要素。この地で優勝するには、普段とは違うプラスアルファが必要なのかも知れない。
そんな中、今週の勝利の女神は常に馬場ゆかりと共にいた。プロアマ戦の優勝に始まり、2日目の16番では大きく左に曲げたショットが木に当たってカラーに止まり、最終18番では10mのイーグルパットがカップインして単独首位。最終日はホールインワンまで飛び出す始末だ。優勝カップを手にする鮮やかなオレンジのウェアを見ていると、「火の国くまもと」の女神がにっこり微笑んでいるようで、見えない力にちょっぴりドキッとした。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka