プレーオフ確率は44.4%!大混戦が続く女子ゴルフツアー
福嶋晃子と申智愛の5ホールに及ぶプレーオフでの決着となった国内女子ゴルフツアー第9戦「ワールドレディスサロンパスカップ」。幾度もきわどいパットを沈めてピンチを凌ぎ、最後は我慢比べに勝って申を下した福嶋のプレーは、見るものも手に汗を握ったに違いない。
今年の国内女子ゴルフツアーを振り返ってみると、これまで9戦中4試合がプレーオフまでもつれ込んでいる。91年には、39試合中14試合がプレーオフ決着となったが、現時点ではそれを上回るハイペースが続いている。また、開幕から9試合、すべての試合で勝者が違う。賞金トップも試合毎に変わり、いつどの選手が抜け出すのか予測がつかない。
大会も決勝ラウンドに入った土曜日、朝から冷たい雨が降るあいにくの天気だったが、最終組がハーフを折り返す頃、クラブハウスの入り口にレインウェアを着て髪を雨で濡らした若林舞衣子が居た。「あれっ?」と思い、ペアリングをチェックしてみたが、そこに若林の名前はない。前週、古閑美保とのプレーオフで初優勝のチャンスを惜しくも逃した若林は、今大会では予選2日目の最終18番、難易度の高いパー3で「6」を叩いて通算9オーバー。カットラインに1打届かず予選落ちを喫していた。
聞けば、この日は朝からコースに来て、雨の中を練習していたという。「練習する環境は一番ですからね」と若林。芝の上から、ショット・アプローチの出来る環境はそう多くない。さすがにパッティンググリーンは練習できる状態ではなく、3時間程の練習を終えて引き上げてきたところだという。先週、そして今週の悔しさは想像に難くない。それでも若林は、「何でも良い経験だと思います」と、爽やかな笑顔を作った。
タイガー・ウッズやロレーナ・オチョアのような圧倒的な強さを持った選手がいない代わりに、みんなの手の届きそうなところに“優勝”の2文字がある。ベテランにも若手にも、優勝するチャンスがある。国内女子ゴルフツアーは、まさに戦国時代の様相を呈してきた。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka