ターゲットゴルフ、そのペナルティは?
今年の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」のテーマは、“ターゲットゴルフ”だと、コースセッティングを担当した小林浩美氏は説明した。「狙ったところに正確な距離で打つ技術を要求しています。ショットが曲がった人にはペナルティがある。ラフが長いので、力の有る無しに関係なくリスクとなります」。各選手から、今大会のコースはこれまでで一番難しいとの声も上がり、協会側はコースの仕上がりに満足感を示していた。
ところが、そのラフの長さが別の問題を引き起こした。とにかく球が見つからないのだ。例え落下地点が見えたとしても、すっぽりラフに埋もれたボールは、近くに行ってもなかなか見つからない。落下地点が見えなければ、なおさらだ。
この日、上田桃子が放った2番ホールの第2打は、にぶい落下音だけを残した。打った上田の地点からは落下地点が見えず、グリーンを取り囲むギャラリーの視界からもちょうど死角になっていた。打ち出したラインを元に捜索を始めたが、20人近い人達が探しても、すぐには見つからない。グリーン手前のラフ、奥のラフを手分けして探す。数分の捜索の後、ようやく見つかった…。
ゴルフ規則には、捜索を始めて5分以内に発見できなかった球は紛失球になるという定義がある。上田の場合、一部の人々から発見に5分以上掛かったのではないかという指摘があったが、途中から現場に来た競技委員が捜索時間を確認しなかったこともあり、お咎めは無かった。
ディフェンディングチャンピオンの飯島茜も、9番で球の捜索に時間が掛かったが、現場に駆けつけた競技委員がストップウォッチで計測し、なおかつ飯島本人に捜索時間を確認して、5分以内ということでプレーを続けた。
この状況に、大会側はグリーン周りにもフォアキャディを配置する予定だという。いくら“ターゲットゴルフ”とはいえ、紛失球ばかりとなっては、あまりにもペナルティがきつすぎる。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka