2019年 関西オープン

長尺パター3年目 24歳の松原大輔が手にするまで

2019/05/28 08:06
長尺パターでツアーを戦う松原大輔

◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技◇KOMAカントリークラブ(奈良県)◇7043yd(パー72)

長年パットに悩める中堅以降のゴルファーが、その打開策として手にするイメージが強い長尺パター。日本のレギュラーツアーで見かけることは少ないが、今大会を16位で終えた24歳の松原大輔は、若手ながら46インチのパターを使用する異色の存在だ。

松原が長尺パターに切り替えたのは、大学4年時の2016年に受けたファイナルQTから。もともと長尺パターは、腰を痛めていた高校時代にリハビリを兼ねて練習していたが、「パターがあまり良くなかったし、腰への負担も少ないので試しに」と自宅に長く眠っていたモノを引っ張り出した。

2016年にパターグリップを胸部などにつけて支点を作る打ち方(アンカリング)が禁止されて以降、ツアーで長尺パターを見る機会は減少した。強い反発も起きた中で、松原は胸部で固定せずに打つストロークがフィット。「支点を作らなくても、思っていたより自分の体の動きでボールを運んでいける。それを機に使いはじめた」という。

同年代で使用するプロは「あまりいないかもしれない」と話す一方で、「練習場では、短尺(通常のパター)を生かすために使っている選手もいる」という。「振り子のように打つクラブの特性上、自分の感性よりはクラブの慣性を使う。手でいかずに、クラブを“待つ”ような感覚が身に付くのだと思う」と持論を述べた。実戦への投入はさておき、若手プロの間にも少しずつ身近なものになっている現状がうかがえる。

いまも周囲からは長尺パターを珍しがられることもあるそうだが、「支点を作らなくても、ただ自分の体をしっかり揺らしてあげれば、ヘッドがそのぶん動いてくれる。そのことが、けっこう広まっていると思うし、わりと使う人が増えているのは確かです」とのこと。松原の活躍次第で、若手の長尺パターへの関心がさらに高まる可能性もありそうだ。(奈良県奈良市/塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

2019年 関西オープン