2018年 セガサミーカップ

72ホール完走断念の裏事情 天気予報にテレビ、予備日…

2018/07/10 07:20
予報は好転し、青空ものぞいた最終日の空模様

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(8日)◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178yd(パー72)

台風7号から変わった温帯低気圧の影響により、地面を打ちつけるような大雨に見舞われた初日。天候の回復を見込めないまま、午前8時2分に中止が決まった。大会側は翌2日目の第1ラウンドスタート前、72ホールから54ホールの短縮を決定。数日前からの降雨によりコースの水はけが悪く、週末も悪天候が予想され、72ホール完遂に向けた最終日の36ホールプレーは困難と判断した。

だが、3日目の夕方には天気予報が変わり、最終日は予想されていた降雨や霧の気配もなく、ときに青空がのぞく天候に恵まれた。こうなると短縮の決定が早すぎた感も否めないが、ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)の広報は「2日目の時点で最終日の予報が悪く、36ホールのリスクは高かった」と説明。「テレビの終了時間もある。主催者と協議を重ねた結果、短縮が決まりました」と吐露した。

今大会は予備日(月曜日)を設けていない上、テレビ放送(最終日の日曜は午後3時30分~4時54分)への配慮も迫られた。

過去10年間で、初日中止の例は今大会を除き6試合ある。そのうち4試合が初日のうちに54ホールへの短縮を発表した。正確な事情は把握できていないが、関係者によると、今回と同様、週末の天候だけではなくテレビ放送時間、主催者の意向などの要素がからんでいたようだ。

■ 過去10年の初日中止大会/短縮決定日/結果/最終日の天気

・2017年「ブリヂストンオープン」/初日/最終日中止で36H短縮/-
・2011年「フジサンケイクラシック」/3日目/順延が続き36H短縮/雨
・2010年「つるやオープン」/初日/54H短縮/晴れ
・2010年「アジアパシフィック パナソニックOP」/初日/54H短縮/曇り
・2009年「キヤノンオープン」/初日/54H短縮/晴れ
・2009年「日本プロゴルフ選手権」/72H/72H

唯一72ホールを完遂したのは、2009年のメジャー「日本プロゴルフ選手権」(北海道・恵庭CC)のみ。36ホールを戦った最終日も雨模様だったが、翌月曜日に予備日を設けていたというのが、ほかの大会との大きな違いだ。午後5時ごろに全組がホールアウトし、池田勇太が7打差の圧勝でツアー初優勝を飾った。

それより前にさかのぼると。初日中止から最終日36ホールプレーで72ホールを完遂したのは、2007年の「マンシングウェアオープンKSBカップ」(岡山・東児が丘マリンヒルズGC)がある。当時15歳でアマチュアの石川遼が、ツアー史上最年少優勝を飾った歴史的な大会だ。初日中止の理由は暴風だったが、コースへのダメージは少なく、強風は吹いたものの最終日まで好天が続いた。(編集部/塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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