来場1万5000人の盛況 和歌山開催が42年ぶりだった理由
42年ぶりに和歌山県での国内男子ツアー開催となった「関西オープン」が終了した。会場の橋本カントリークラブには、4日間で計1万5615人のギャラリーが来場。関西オープンがツアー競技に復帰した2009年以降の大会最多を記録した。
ところで、なぜ和歌山県では42年間も男子ツアーが開催されなかったのだろう。国内男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)によると、試合会場は大会を主催するスポンサーに関係の深いコースを使用する傾向にある。和歌山県内のコースは久しく、その候補に挙がっていなかったのだという。
ちなみに1973年のツアー制度施行以降、山形、富山、島根、徳島の4県では未だツアーが開催されていない。
もう一つの疑問は、1926年から関西地方の名門コースを巡ってきた関西オープンが、今年まで和歌山県で一度も行われなかった理由だ。
確かに人口は約95万8000人と、関西の2府4県の中では最も少ないが、今回これだけの集客を誇ったのも事実だ。大会を主催する関西ゴルフ連盟の田畑茂事務局長によると、開催コースは273ある加盟コースの立候補制となっている。和歌山県にある16コースからの立候補は過去になかったという。
今年は、開場50周年の節目を迎えた橋本カントリークラブが名乗りを上げ、同連盟の精査を経て初めての和歌山開催が実現した。
ツアー側の受け止めは、総じて好意的だ。JGTOは「開催が少ない県でもっとツアーを行いたい気持ちは、もちろんある。今回、関西オープンで(和歌山開催が)実現できたことは本当に良かった」と喜んだ。
選手会長の宮里優作も、6430人が詰めかけた最終日の熱気に感慨深げ。「涙が出そうでした。家族連れも多かったし、これが本来あるべき姿だと思う。これからの新規トーナメントの参考にできれば」と力を込めた。(和歌山県橋本市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。