藤田寛之と宮本勝昌 “一人の女”を奪い合う?
大利根CC西C(茨城県)で開幕した「アジアパシフィックオープン ダイヤモンドカップ」の初日、藤田寛之は3バーディ、ノーボギーの3アンダー2位タイ。同組で回った先週優勝の宮本勝昌は2バーディ、1ボギーの1アンダーで16位タイ。芹澤信雄を師と仰ぐ同門2人がそろって好スタートを決めた。
「藤田さんはずるい。絶対にボギーが出ないんだから」とぼやいたのは宮本だ。「ラフに入っても、グリーンを外してもパー。キャディのピーターに“先週と違って楽でしょ”って言ったら苦笑いしていました」。
今週、藤田のバッグを担ぐのは、ピーター・ブルース氏。2012年まで宮本のキャディを務めたベテランは、今年6月の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」から藤田のエースキャディとして落ち着いている。だが、先週は当初の約束通り宮本を担ぐと、4年ぶりのツアー優勝に導いた。
「的確なアドバイスをくれるし、無理な攻めは要求してこない。プロキャディとしてデータを持っているし、ジャッジが正しい。こういう難しいコースだと、1、2打は違ってくる」と藤田も全幅の信頼を寄せている。今シーズン前半はキャディが定まらず、時にはハウスキャディを起用することもあったが、今では「プレーに集中できる」と安堵感いっぱいだ。
宮本にとって、先週の優勝はピーターとタッグを組んでいた時期に稼げなかった分を「帳消しにできた感じ」というが、その一方で別れた相棒に未練も見せる。「なんか、一人の女を奪い合うみたいな感じ?」そう笑った宮本だが、笑顔が若干ひきつって見えたのは気のせいか――。(茨城県板東市/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka