片山晋呉「こういう感覚でやりたかった」
今季すでに2度のトップ10フィニッシュを果たしている片山晋呉が、今週の「~全英への道~ミズノオープン」でも2日目を終えて首位と1打差の2位タイと好調だ。
ツアー通算26勝を誇る永久シード、09年の「マスターズ」では日本人最高位となる4位に入ったが、その後は“バーンアウト”に近い精神状態に悩まされた。「やっていることと、気持ちがずれていて、同じ方向に向かっていない。何をやってもそうなれなかったのが丸々3年はあったね」と振り返る。
しかし、今年4月には久々に「マスターズ」をテレビ観戦できるまでに戻ってきた。「ようやく気持ちがついてきて、40歳になった自分と気持ちが並行になってきた。今日の17番にそういうのが表れている。それが大きいね」。ボギー、ダブルボギーと続いた直後のバーディを引き合いに出し、これまでとの“違い”を語った。
片山の感覚は、本人も言葉で説明することは難しいようだ。「感触が違う。こういう感じを待っていました。こういう感覚でやりたかった。明らかに新しい。悪くても頭にも来ないし、テンションも上がらない。全部受け入れるようになっている」。全盛期と比べると、「もっとテンションは高かったけど、そういう感じじゃない」と新たなスタイルを築きつつある。
帯同キャディを務める佐藤賢和氏は、技術的なバランスの良さも好調の要因に上げる。「大洗からアイアンのシャフトを07年頃に使っていたものに変えて。それまでのものより軟らかくて先端が戻ってこない。振り切れるようになったし、左へのミスが少なくなりました」。
好調さは、海外メジャーに対する“欲”も片山の中に芽生えさせている。「今、この感じならどれくらいなのかなって、考えられるようになってきましたね」。日本有数のリンクスコースで、王者がその眠りから覚めつつある。(岡山県笠岡市/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka