小ぶりのヘッドで飛距離アップ!単独首位の伊藤誠道
「ANAオープン」2日目を終えて単独首位に立つのは、高校1年生の伊藤誠道。アマチュアが36ホールをノーボギーでラウンドしたのも、トップで決勝ラウンドを迎えるのも、2007年以降では初めてという偉業だ。
昨年の日本ジュニア(12歳~14歳の部)で優勝するなど、ここまで順調な競技人生を歩んでいるが、今年は少し風向きが違った。2011年に入って2度出場したレギュラーツアーではことごとく予選落ち。ジュニアの試合でも優勝に手が届かなくなってしまった。
「去年、(三井住友VISA)太平洋で10位タイに入って、最初はそれ以上を求めてつまずいて、焦りもありました。でもプロゴルファーになるってことを考えたら、ツアーにきて、色んな選手と回って、得たものを試合で出そうって考えるようになって。今、ツアーは勉強の場だと思っています」と謙虚に語る。
今週火曜日の午前には貞方章男らと練習ラウンドを共にし、洋芝のアプローチを教えてもらい、午後は08年チャンピオンの矢野東に「コースの攻め方を聞いた」と存分に吸収。すぐにそれを実践している。
また、8月の日本ジュニアからドライバーヘッドを小ぶりなものに変えたのも、奏功している。「最初はヘッドが早く戻って来ちゃってダメだったけど、練習して、調整して・・・」。395ccから、今はこれまでで一番小さいという365ccのヘッドを使っているが、「ヘッドスピードが上がって、安定性も飛距離も増した」と、2日間でのフェアウェイキープ率は全選手中でも堂々の4位につけている。(飛距離は平均270.75ヤード)
先輩の背中を追って、残り36ホールに挑む伊藤。この日、予選で姿を消してしまった石川遼からは、「アマチュアということを気にせず、主役になってほしい」とエールを送られた。あと2日、「成績よりも楽しんでやっていきたい」という伊藤の挑戦が続く。(北海道北広島市/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka