丸山茂樹が今季初の“完走” 「大きな意味がある」
北海道の小樽カントリー倶楽部で行われた今季の国内男子ツアー第10戦「サン・クロレラクラシック」最終日。優勝争いからは大きく遠ざかり、通算1オーバーの50位タイに終わった丸山茂樹だが、その表情には充実感が漂っていた。
今季開幕前の2月。丸山はふくらはぎの筋肉断裂という重傷を負った。その後、40日間の安静などを経て必死にリハビリと治療を施したが、4月には腰をはじめとした、全身のいたるところに痛みを覚えた。満足な調整ができないままシーズンに入る焦りから、トレーニングの負荷をかけ過ぎ体はボロボロになった。日本のトップを走り続けてきたゴルフ人生の中でも「想像がつかなかった苦しみだった」と言う。「ただ『調子が悪いんだろう』と周りに思われているのがつらい。『オレの気持ちが分かるか』というストレスもあった。これまでやってきた道があるからね」。
欠場と棄権、予選落ちを繰り返した丸山は、今大会で今季初めて4日間をプレーした。最終組がホールアウトする1時間半以上前にフィニッシュしたが、クラブハウス前でギャラリーからサイン攻めにあった。実績からいえば予選を通過しただけで満足できるはずがない。だが「小樽で4日間プレーしたのは大きな意味があった」と感慨深げに言った。
痛み止めを飲み続けていた治療中に3キロ減った体重も、4センチ小さくなったお尻まわりの筋肉も、ようやく戻りつつある。4月中旬、医師からは「回復まで120日はかかる」と言われた。「だから8月中旬、もう少しじゃないかな。9月くらいから本格的に行きたい。明るく話せる時まで、地道に頑張ります」。実りの秋に、そのスマイルを見たい。【北海道小樽市・桂川洋一】。
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw