史上初のゴルフ日韓共催 日本ツアー13勝のキム・キョンテは何を思う
◇国内男子・KPGA・アジアン◇シンハン ドンヘ オープン 2日目(20日)◇ベアーズベストチェオンナGC(韓国)◇7252yd(パー71)
日本、韓国、アジアンの3ツアー共催競技「シンハン ドンヘ オープン」は韓国ツアーで35年目を迎えるメジャー大会。2016年からアジアンツアーとの共催競技になり、今年から日本ツアーが加わった。3ツアーおよび日韓ツアーの共催はともに初めてとなる。
2008年から日本ツアーに参戦し、メジャー1勝を含む13勝を挙げ、すっかり同ツアーでお馴染みの顔となった、韓国籍で33歳のキム・キョンテは今大会をどのような思いで迎え、何を感じただろうか。2日間の予選ラウンドを終え、心中を吐露した。
日本との共催が決定した時には韓国ツアーの選手たちから「優勝すれば日本のシードももらえるし、アジアのシードももらえるのですごいチャンスだ」という歓迎ムードの一方で「65人くらい出られていたのが、(3ツアー共催になったことで)40人しか出られなくなった」とネガティブな意見など、様々な声が上がった。
日本で試合がなかった今夏にキムは韓国に帰省した。「(国同士の)関係が悪くなったニュースがたくさん出ていて…」と開催を心配した時期もあったという。「でも日本に戻ったら全然そういう感じはしなかった。仲良くしていた選手たちが国の問題で仲が悪くなることはないから」と胸をなでおろした。
試合が近づくにつれ不安は消え「どんな感じになるのか楽しみにしていた」と母国開催に期待を膨らませた。17日(火)のプロアマ戦から予選ラウンドまでの4日間を終えると「日本ツアーの選手はいつも見ている選手だし海外って感じもしなかった。韓国の選手たちも、特別な感じもしなかったし、いつもと違う雰囲気ではなかった」と“いつも通り”を強調した。
2002年にサッカーワールドカップが日韓共催で行われたのは17年前。当時15歳だったキムも熱狂した世代だ。「面白いですよね、そういうのって。日韓戦も、そういうのがないと熱くならないですよね。勝っても負けても終わったら(わだかまりは)何もないです」と笑う。
「今後どういう話が出てくるか分からないですけど、韓国のスポンサーがこういう試合を出来たのは、僕は良かったと思う。日本もこういう試合をやってほしい。この試合だけで終わってしまうのはもったいない」と今後も共催を歓迎する。
「一番近い国だし、こういう交流は大切じゃないですか」
今大会は通算6オーバー107位と予選落ちに終わった。「最近ずっと悪いんです。ゴルフは悪くないんですけど、流れが良くない。(いい流れを)待つしかないですよね」と言い残し、クラブハウスを後にした。(韓国・インチョン/柴田雄平)
■ 柴田雄平(しばたゆうへい) プロフィール
身長188cmの猫好きおじさん。O型、おひつじ座。モデル、俳優から紆余曲折を経て、WEBディレクターとしてGDO入社。2017年10月にしれっと編集部へ。13年から続けるゴルフのベストスコアは「85」。