優勝者に延長負け 宮里優作はメキシコから再始動
◇欧州、アジア、豪州共催◇ISPSハンダ ワールドスーパー6パース 最終日(11日)◇レイクカリーニャップCC(オーストラリア)◇7143yd(パー72)
繰り返された一騎打ちを見守った観客から拍手が送られた。2回戦から登場した宮里優作は大会を制したキラデク・アフィバーンラト(タイ)と対戦。正規の6ホールにわたって行われたマッチプレーでは決着がつかず、延長5ホールを戦った末、敗退が決まった。
宮里はスタートホールで2打目にミスが出て早々にリードを許した。しかし、3ホール目から10m、6mとバーディパットをカップに沈めて逆転。オールスクエアでの最終6ホール目では、外せば負ける6mのパーパットを流し込むと、テラス席にいるほろ酔い気分のギャラリーから大きな歓声が飛んだ。
最終日はマッチプレー6ホールだけでは決着のつかない試合が多く、最終ホール(正規の18番)の右サイドにはサドンデス用の特設ティグラウンド(パー3)が用意されていた。グリーンから93ydに設けられたその場所に2人は何度も向かった。どの組も延長1ホールを終えるごとに待ち時間を要し、宮里は「アフィバーンラトもこの大会は初めてだったみたい。そういう部分も含めて良い経験になったけど」と振り返った。
延長3ホール目では最大のチャンスが到来した。相手のバーディパットが外れると、宮里の2打目は下りの1.5m。スライスラインがカップ手前で止まると、両手を膝についてがっくり腰を曲げた。「チャンスが来たところで決め切れなかったから、それが最後は影響した。きょうはあんまり良いプレーが出来ていなかった」。
延長5ホール目。いたずらにかわる風向きに最後は嫌われた。ティショットを放った宮里の打球はグリーン左サイドに切られたカップをこえてバンカーに落ちた。「けっこう(向かい風が)吹いていると思って打ったらオーバーして」。2打目で寄せたものの、相手が4mのバーディパットを冷静に入れて敗れた。苦手としてきたマッチプレーを克服できず、「やっぱり難しさがある」と淡々と語った。
海外挑戦を本格化させたい2018年。1月「ソニーオープンinハワイ」から続いた海外5連戦を終えた。「まだアジア周辺の移動ばかりだからそこまで大変ではないけど、欧州を回るようになったら移動は大変になる」。次戦は欧州ツアーのポイントにも加算される世界ゴルフ選手権「WGCメキシコ選手権」(3月1日~)。「今週は100yd以内がずっとダメ。しっかり洗い出して修正したい」。束の間のオフも調整にあて、再始動を切る。(オーストラリア・パース/林洋平)