2018年 メイバンク選手権

待望の欧州初優勝へ「上だけを」 谷原秀人は2差キープ

2018/02/03 18:33
谷原秀人は同じ組でプレーした片岡大育とスタート前に握手を交わした

◇欧州&アジアン◇メイバンク選手権 3日目(3日)◇サウジャナG&CC(マレーシア)◇7186yd(パー72)

待望の初タイトルに谷原秀人が迫った。3日目にして突然吹き荒れた風の中、9アンダー7位からスタートして5バーディ、1ボギーの「68」。2連続バーディフィニッシュで首位と2打差をキープして54ホールを終えた。

5人の日本勢全員が足を踏み入れた欧州ツアーの決勝ラウンド。片岡大育と同じ組で回った谷原は、難度が最も低い1番(パー5)をバーディとすると、最難関の2番でスーパーショットを披露した。右サイドのフェアウェイバンカーからの第2打。残り216ydで4Iから放たれたボールは、ピン右2mにピタリ。「届けばいいな…と。ちょうど風が止んで“チャンス!”と思って打った」。グリーン周では多くの日本人ギャラリーが喝采の拍手。2連続バーディで滑り出した。

ハーフターンが差し掛かるにつれて、風の読みが難しくなった。「ランダムになって、アゲンストかフォローかがまったく分からなくなった。でも我慢できた」。7番(パー3)で2.5mを沈めノーボギーで折り返し。13番(パー5)、つま先上がりのライから放った第2打が木に当たり、池ポチャでボギーとしたものの、17番からバーディを連取。「(終盤は)風の向きが不規則じゃなく、一定になった。最終的には良い形で終えられた。あしたにつながってくれればいい」と最終日を見据えた。

予選ラウンドを下位で通過した石川遼が同じ5位、宮里優作が11位に浮上。今大会の日本人最年長・39歳は「今回、日本人がみんな頑張っている。コースの距離もそんなに長くない。行けるとは思う。こういう戦いを続けて行って、良いところに行けば、すごい盛り上がる」と周囲を見渡した。「日本では分かんないけれど…ここには、現地の人が応援に来てくれて、喜んでくれている。そういうのは僕らもやっている方もうれしい」

昨年は、通算14勝を挙げた日本ツアーを飛び出して欧州ツアーに参戦。シーズン最終戦まで進み、レース・トゥ・ドバイ(年間ポイントランキング)で27位に入った。

初優勝に対しては「慣れも必要だと思う。それを深く考えず、やりたいようにやる一年にしたい」と冷静に向き合うが、「(最終日は)攻めなきゃ話になんない。パットをどんどん決めていかないと、遅れていく一方。上だけを見て頑張ります」と意気込む。昨年は2度、最終日を5位以内で迎えて敗れた。日本勢で、このツアーでの経験がもっとも豊富なのは言うまでもない。(マレーシア・シャーアラム/桂川洋一)

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