松村道央「せっかく来た」モロッコでの戦いへ 岩田寛は嘆き節
欧州男子ツアー「ハッサンIIトロフィー」は26日(木)、モロッコのゴルフ・ドゥ・パレロイヤルで開幕する。日本からは昨年「ネスレ日本マッチプレー選手権」優勝で出場権を手にした松村道央と、岩田寛が世界ランキング100位以内の資格でスポット参戦する。
松村にとっては24日(火)の練習ラウンドが大会前唯一のコースでのプレーとなった。メンバーに入らなかった開幕前日のプロアマ戦では、出場した岩田の組に帯同してロープの外で10番からの3ホールを視察。ティショットの狙い所やグリーン回りの傾斜などを、パターを握りしめながら確認した。
その後は練習場へと移動し、パッティング、ショートゲーム、打撃レンジと、3時間近くを練習に費やした。今週はドライバーのシャフト長を46インチから45.5インチに替えた。「飛距離もあまり変わっていないし、振りやすい短い方を使おうかなと。その確認もできたので」。モロッコ入りしてわずか3日。コース知識は充分とは言いがたいが、自身の今季初戦はスタートする。
コースを去る間際まではいつもの飄々とした松村だったが、開幕直前の心境を、焦りと不安、それに対して開き直りがどの程度あるのか聞くと、「うん、今は切り替え中ですね」という自身の言葉を合図として一気に熱を帯びていった。「死にもの狂いで、がむしゃらに、一生懸命やりたいです」「泥臭くてもなんでも、体重が2kgくらい落ちるくらい」「優勝争いしている気持ちで」「せっかくここまで来たのだし、4日間戦いたい」――。
その一方で、2日続けて18ホールをラウンドした岩田はがっくりとうなだれて最終ホールへと戻ってきた。「ダメですね。調子が良くないし、しっくりこない。(1月の米ツアー)ソニーオープンから全然良くない。良いのはよく寝られることくらい」。
強風の中での2ラウンドがイメージをより悪くさせたのか、岩田のテンションは甚だ低い。「全英は風だけだけれど、ここはグリーンが小さいし、それよりも難しい」。なんとか絞り出した前向きな言葉は「諦めずにやりたいです」という、か細いひと言だけだった。(モロッコ・アガディール/今岡涼太)