「全米プロゴルフ選手権」で知っておくべき5つのこと
今年のメジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」が、ニューヨークのベスページステートパーク ブラックコースで開催される。同大会で鍵となるストーリーラインは次の通りである。
グランドスラム
先月、オーガスタナショナルで「マスターズ」を制覇し、5着目のグリーンジャケットを手に入れたタイガー・ウッズは、スポーツ界最高のカムバックを成し遂げたといっても過言ではないだろう。43歳のウッズは、13年前に「全英オープン」と「全米プロゴルフ選手権」を連続で制覇しているが、今回はそれ以来となるメジャーでの連勝を狙うこととなった。
また、ウッズは先月の「マスターズ」で優勝したことにより、これまで誰も達成したことのない同年のメジャー4大会を全て制覇する年間グランドスラムを狙える位置につけた。“タイガースラム”という言葉は、ウッズが2000年から01年にかけてメジャー4大会全てのタイトルを保持した際に作り出された。01年に「マスターズ」で優勝したウッズは、前年にそれ以外のメジャー全てを制覇していたため、メジャータイトル独占という史上初の快挙を達成した。
新しい日程と新しい開催コース
今年はこれまで伝統的に8月開催となってきた「全米プロゴルフ選手権」が5月開催となったことで、同大会は新たな時代を迎えることとなる。日程同様、開催コースも新たな場所となる。同大会の101年に及ぶ歴史の中で、今年は初めてベスページステートパーク ブラックコースが大会開催の栄誉に授かることとなった。
しかしながら、ベスページはメジャーと無縁なわけではなく、これまで「全米オープン」が2度開催されており、同コースでは2002年にタイガー・ウッズが、2009年にルーカス・グローバーが「全米オープン」制覇を果たしている。なお、ブラックコースは“上級者向けの極めて難しいコース”という注意書きで有名である。
連覇に挑むブルックス
ブルックス・ケプカは今週、キャリア2度目のメジャー連覇を目指してベスページでティアップする。昨年「全米プロゴルフ選手権」を制覇した米国のケプカは、過去2年連続して「全米オープン」を制覇している。2位タイに入ったオーガスタナショナルでは、「マスターズ」制覇にあと一歩のところまで迫っただけに、今週もブルックスは要注目である。
メジャー王者揃い踏み
木曜のベスページではオールスターキャストの組がギャラリーを沸かせることになる。今週は、「マスターズ」王者のウッズ、「全米オープン」と「全米プロゴルフ選手権」王者のケプカ、そして「全英オープン」王者のフランチェスコ・モリナリという、現在メジャータイトルを保持する3人が同組で最初の2ラウンドをプレーするのである。このトリオは13時24分(英国夏時間)に第1ラウンドをティオフする。一方、世界2位のジャスティン・ローズは、米国勢のバッバ・ワトソンとリッキー・ファウラーと共に13時2分(英国夏時間)にティオフする。
欧州ツアー王者たちがニューヨークに降り立つ
今週の「全米プロゴルフ選手権」は世界のトップ100全員が揃った史上初のメジャーになりかけたが、世界5位のジャスティン・トーマスが手首の負傷により月曜に棄権することを明らかにした。トーマスの欠場により、今大会のフィールドに含まれるメジャー王者は33人、そして世界ナンバーワン経験者は11人となった。また、今週は合計60人のヨーロピアンツアーメンバーが出場するほか、2019年の「レース・トゥ・ドバイ」で優勝した19人のうち13人が出場する。そのうち、ジャスティン・ハーディング、カート・キタヤマ、そしてデービッド・リプスキーの3人は「全米プロゴルフ選手権」初出場となる。