メジャー初制覇を狙うステンソンはタイガーと同組に興奮
ヘンリック・ステンソンは今週の「全英オープン」で優勝し、自身の輝かしいキャリアに唯一欠ける称号を手にしたいと考えている。
スウェーデンのステンソンはこれまでに3度クラレットジャグを惜しいところで獲得し損ねてきた。それはトップ3入りした2008年と2010年、そして記憶に新しいのは、最終日に素晴らしいプレーを見せながら、米国のフィル・ミケルソンにメジャー初優勝を阻まれた昨年の大会である。
彼は昨年の大会で2位に入ったことにより、それ以降の才気漲る好調の波を最高潮へと押し上げ、「レース・トゥ・ドバイ」と米PGAツアーの「フェデックスカップ」の二冠達成というかつてない偉業をやってのけたのである。
当然、彼は大西洋を股にかけた二冠という歴史的な快挙の達成を誇りに思ってはいるが、やはり自身のトロフィーの陳列棚にクラレットジャグ、グリーンジャケット、ワナメーカートロフィー、あるいは全米オープントロフィーの何れかを飾らないことには、キャリアの成功が果たされないままであると感じている。
「この大会を見ながら育ったし、『全英オープン』で優勝するのは少年時代の夢の一つだった。その夢は諦めていない。メジャー制覇は自分の来歴を完結させる最後のワンピースだ、というのが自分の考えだ。だから全力で獲りに行くよ」。
「この大会では何度か良い結果を残している。とにかくハードワークできるかどうかだ。日曜の午後にリーダーボードの天辺に自分の名前を掲げるべく全力を尽くす。もし、十分に良いプレーができ、ゲームプランを守り、忍耐強くプレーして、そこここでラッキーバウンドを得ることができれば、日曜はその場所、あるいはその近くにはいられるはずさ」。
「この大会で優勝することができれば、それは“すべて”を意味することになる。今年それが果たせなければ、また来年戻ってきてトライするさ。ガツガツし過ぎないようにする。(優勝できるのであれば)どのメジャーでも良いけれど、もちろん『全英オープン』で勝つことができれば自身のキャリアに花を添えることになるね」
ステンソンは出場した直近の大会である「BMWインターナショナルオープン」で2位タイに入るなど、出場したヨーロピアンツアーのここ5大会で何れもトップ10入りを果たしており、ここ数週間は安定感のお手本のようなプレーを披露している。
今季は世界中で挙げてきた12勝から更に勝利数を積み上げられていない。しかし好調を持続させているとあって、当然のことながら自信を漲らせている。
「自分の調子については結構満足している。いつだって向上の余地はあるけれど、良いプレーはできているよ。まだ、昨年末ほど良いシーズンにはなっていない。でも、ああいうのはいつも期待できるわけではないからね。この大会へ入る前に4つか5つのトップ5入りがあったはずで、それだけ安定はしているんだよ。ただ、勝利を挙げてゆきたいし、今週はそれを始めるのにもってこいだね」
ステンソンはメジャー2勝のアンヘル・カブレラ、そして世界2位のタイガー・ウッズと同組でロイヤルリヴァプールGCでの最初の2日間をプレーすることになる。前回のこの場所で「全英オープン」が開催された2006年は、タイガー・ウッズがクラレットジャグの防衛に成功している。
畏敬の念から恐縮し過ぎるどころか、ステンソンはメジャー14勝のウッズと同組となったこのペアリングに喜びを感じており、どれくらい気楽に彼がこのペアリングを受け止めたかということを、この陽気なスウェーデン人は彼特有の粋なウィットで表現してみせた。
「彼(ウッズ)はペアリングが決まってこの方、眠れない夜が続いたみたいだね。組み合わせはいつ決まったんだっけ?彼は疲れているみたいだったよね?」
「僕らはもう随分一緒にプレーしているし、彼と競い合う中で良い結果も残してきたし、何度か彼を上回るスコアも残した。だから、できる限り自分のゴルフをプレーするだけだし、その上でまたトップに立つことができたら良いね。でも、僕が今週良い結果を残す上で、彼は破らなきゃいけない選手の一人だからね。彼に勝つことができれば良いスタートとなるけれど、彼以外にも素晴らしい選手はいるからね」