2020年 マスターズ

「マスターズ」で知っておくべき5つのこと

2020/11/11 19:12
例年とは異なる彩りのオーガスタナショナルGC

待ちに待った第84回「マスターズ」がようやく幕を開ける。普段とは異なる11月のオーガスタで開催される大会について知っておくべき5つの事柄は次の通り。

秋のオーガスタ

「唯一無二の伝統」として知られる大会だが、11月開催となったことで、一年で最後のメジャーとなった今年は、唯一無二の「マスターズ」ということになる。

同大会は通常、その年のメジャー初戦となっているわけだが、新型コロナウイルスの感染拡大により、オーガスタナショナルGCは大会の開催を4月から11月に延期する措置を取った。

2020年のメジャーは全4大会がパンデミックの影響を受け、「全米プロゴルフ選手権」は8月へ、「全米オープン」は9月へそれぞれ延期され、第149回「全英オープン」に至っては2021年に延期されることとなった。

異なる「マスターズ」

2020年の「マスターズ」へ向け、オーガスタにおける秋の彩りや、大会史上初となるパトロンの不在は、これまで頻繁に話題にのぼって来たが、今週はさらにもうひとつ、予選カットに関するルールの変更という、これまでとは際立った違いが発表された。

2013年以降、予選カットのラインはタイを含むトップ50、あるいは首位と10打差以内と決められてきた。これにより、2019年は65人の選手が予選を通過した。しかしながら、今年は日照時間の大幅な短縮により、週末のフィールドを縮小すべく、首位と10打差以内というルールが除外されることになった。

また、日が短くなったことにより、2ティスタートが導入され、最初の2ラウンドはそれぞれ1番と10番ティからスタートする組に分けられる。

さらに、今年は1960年に始まったパー3コンテストが開催されない史上2回目の大会となる。2017年は悪天候により、水曜に開催されてきたこの人気イベントが中止となったが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となることが決まっている。

タイガー・ウッズの防衛戦

メジャー通算15勝目にタイガー・ウッズは胸を張った

タイガー・ウッズは2019年の「マスターズ」で11年ぶりのメジャー制覇を果たし、スポーツ史に残る見事なカムバックを遂げた。2005年以来の大会制覇を果たした彼は5着目のグリーンジャケットに袖を通し、メジャー通算勝利数を15に伸ばした。

ウッズは今大会優勝して6着目のグリーンジャケットを手に入れると、ジャック・ニクラスの持つ「マスターズ」最多勝記録に並ぶほか、2年連続「マスターズ」制覇を複数回遂げた史上初の選手となる。彼はニクラスとニック・ファルドの足跡をたどるかたちで、2001年から2002年にかけて大会連覇を果たしている。

カギとなるストーリーライン

ロリー・マキロイは「マスターズ」において直近6回の出場でトップ5入り5回と、オーガスタで最も安定した成績を残している1人である。6年ぶりのメジャー制覇を狙うマキロイが今週優勝すると、史上6人目の生涯グランドスラム達成となる。

世界ナンバーワンのダスティン・ジョンソンは昨年の「マスターズ」で2位タイに入っており、目下ツアーでは直近6大会で優勝1回、2位3回、そしてそれ以外にもトップ10入り2回と、絶好調のままメジャー2勝目を目指してオーガスタ入り。しかしながら、公式世界ゴルフランキングの頂点を争う戦いは引き続き接戦となっており、ジョン・ラームジャスティン・トーマスはこの大会後にトップの座を取り戻すチャンスを握っている。この2人は2020年にそれぞれ2勝しており、最近開催された「ZOZOチャンピオンシップ」では、ともに2位タイに入っている。

このほか、「マスターズ」3勝のフィル・ミケルソンは史上最年長メジャー制覇を狙っており、最近ヘッドラインを席巻しているブライソン・デシャンボーは、今季「全米オープン」でメジャー初制覇を遂げており、今週は2015年のジョーダン・スピース以来となるメジャー2大会連続優勝を狙っている。

大会デビュー組

ビクトル・ペレス※写真は2019年「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」(Matthew Lewis/Getty Images)

今週のフィールドでオーガスタデビューを飾る選手は26人となっており、これには「全米プロゴルフ選手権」王者のコリン・モリカワに加え、最近ヨーロピアンツアーの大会を制覇したビクトル・ペレスエリック・ファンローエン、そしてクリスティアン・ベゾイデンハウトらが含まれる。

「アルフレッドダンヒルリンクス選手権」王者のペレスにとって、4月開催であれば「マスターズ」はメジャー初出場となるはずだったが、大会の延期により、このフランス人選手は「全米オープン」、そして22位タイに入った「全米プロゴルフ選手権」と、すでにメジャーを経験した上でオーガスタへ向かうこととなった。彼は「BMW PGA選手権」で、優勝したティレル・ハットンに次ぐ2位に入っており、好調のまま大会初日を迎える。

ともに南アフリカ出身のファンローエンとベゾイデンハウトは、今回の「マスターズ」出場により、メジャー全4大会の出場を果たす。2017年の「全英オープン」でメジャーデビューを果たしたファンローエンは、昨年の「全米プロゴルフ選手権」でメジャー自己最高位の8位タイに入っている。一方、2019年の「全英オープン」でメジャーデビューを飾ったベゾイデンハウトは、2020年「全米プロゴルフ選手権」での55位タイがメジャーにおける自己ベストとなっている。

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