全米オープンで知っておくべき5つのこと
今週ウィングドフットGCで開催される2020年メジャー第2戦の「全米オープン」について知っておくべき5つの事柄は次の通り。
今年のメジャー第2戦
新型コロナウイルスの感染拡大によりスケジュールが組み直されたことから、ウィングドフットGCで開催される「全米オープン」は、2020年に開催されるメジャー3大会のうちの第2戦となる。
今年のメジャー初戦となった「全米プロゴルフ選手権」では、コリン・モリカワが見事にメジャー初制覇を遂げており、メジャー最終戦の「マスターズ」はオーガスタナショナルにて、11月12日から15日にかけて開催される。「全英オープン」は2021年に再開される予定となっている。
今大会は3カ月遅れでの開催となるが、注目すべき話の筋には事欠かない。ともに2020年に2勝を挙げているジョン・ラームとダスティン・ジョンソンによる世界ナンバーワンを懸けた争いは継続中であり、フィル・ミケルソンは14年前に優勝まであと一歩のところまで迫ったコースで生涯グランドスラムの達成に挑むほか、ロリー・マキロイはメジャー5勝目、そして父親として初優勝を目指すことになる。
6度目の全米
ウィングドフットGCで「全米オープン」が開催されるのは、2006年以来6度目のことになる。
これまで「全米オープン」が6度以上開催されたコースは、同コースのほか、バルタスロール(9)、オークモントCC(7)、オークランドヒルズ(6)、そしてペブルビーチ(6)の5コースとなっている。
1923年開場のウィングドフットGCでは、1929年に初めて「全米オープン」が開催され、ボビー・ジョーンズが大会を制覇した。その後、同コースでは1959年大会をビリー・キャスパーが制したほか、1974年大会をヘイル・アーウィン、1984年大会をファジー・ゼラー、そして2006年大会をジェフ・オギルビーが制覇している。
ハイスコアの歴史
ペブルビーチで開催された昨年の「全米オープン」は、ゲーリー・ウッドランドが通算13アンダーで優勝したが、高速グリーンと高いドライバーの精度が求められることで有名なウィングドフットGCでは、同じ様な展開にはならないだろう。
これまでウィングドフットGCで開催された「全米オープン」で、優勝スコアがアンダーパーとなったのは、ファジー・ゼラーがプレーオフの末にグレッグ・ノーマンを下した1984年大会の一度みとなっている(この際の優勝スコアは通算4アンダー)。
ウィングドフットで最後に大会が開催された2006年は、フィル・ミケルソンとコリン・モンゴメリーが最終ホールでダブルボギーをたたくなか、ジェフ・オギルビーが通算5オーバーで優勝を飾った。
世界ナンバーワンを巡る争い
2020年に入り、公式世界ゴルフランキングのトップには、すでに5人の選手が入れ替わりで上り詰めているが、これは新型コロナウイルスの感染拡大により、2カ月に渡ってランキングが凍結されたことを考えると、驚くべきことである。
現在は、2週間前に米PGAツアーのFedExカップを制覇したダスティン・ジョンソンが世界ナンバーワンの座に君臨しているが、今週の「全米オープン」後は、3人の選手にこの座を手に入れる可能性が残されている。
今年、ロリー・マキロイを抜く形で、スペイン人選手としてセベ・バレステロス以来となる世界ナンバーワンの座を手にしたジョン・ラームは、今週好成績を残すことができれば、今年3度目の世界ナンバーワン到達が可能となっている。
彼以外では、ジャスティン・トーマス、そして「全米プロゴルフ選手権」王者のコリン・モリカワにも可能性が残されているが、両者はともに優勝が必須条件となっている。
メジャーデビュー組
ヨーロピアンツアーのUKスイングには、シリーズランキングを通じて「全米オープン」の出場権が得られるというモチベーションの源があった。
従来の予選会が中止となるなか、USGAはシリーズ第5戦の「ISPSハンダ ウェールズオープン」を終えた時点のランキングでトップ10入りした選手に、ウィングドフットGCで開催される今年の「全米オープン」の出場権を付与することを決定した。
その10人のうち6人は、今回が「全米オープン」初出場となる。このうち、アドリアン・オタエギ、コナー・サイム、そして「ISPSハンダ ウェールズオープン」王者のロマン・ランガスクはメジャー出場経験を持っているが、ラスムス・ホイゴー、トーマス・デトリー、そしてサミ・バリマキにとっては、今回が記念すべきメジャーデビュー戦となる。