「スコットランドオープン」の大会アラカルト
ロレックスシリーズ第4戦でヨーロピアンツアーの「レース・トゥ・ドバイ」は、2017年に入って初めてスコットランドの地を踏むことになる。ダンドナルドリンクスで開催される今年の「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」には、世界のトップ10から4人が出場するなど、スター揃いのフィールドが集結する。ここに、今大会に関する重要な情報をお知らせしよう。
2016年大会を振り返る
昨年、世界99位の選手として「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」へやって来たアレックス・ノレンは、今年、世界9位として同大会に臨む。
スウェーデンのノレンによる世界のトップクラスへ向けた快進撃は、彼が素晴らしい技術と気概を遺憾なく発揮し、ティレル・ハットンを1打差で退けて戴冠したキャッスルスチュワートから始まった。そして、2位に入ったハットンも、この大会での好成績を皮切りに、公式世界ゴルフランキングを急上昇させたのであった。
ハットンに2打差の首位で最終日を迎えたノレンは、その座を一度も手放すことなく、最終日を2アンダーの「70」でラウンドし、通算14アンダーで大会を制した。
この勝利をきっかけに旋風を巻き起こしたノレンは、年末にかけ、「オメガヨーロピアンマスターズ」、「ブリティッシュマスターズ」、そして「ネッドバンクゴルフチャレンジ」と、さらに3勝を積み上げた。
フィールド
ロレックスシリーズ第4戦の舞台となる風光明媚なダンドナルドリンクスには、ディフェンディングチャンピオンのノレンに加え、ロリー・マキロイ、ヘンリック・ステンソン、リッキー・ファウラー、そしてアダム・スコットと、錚々たる顔ぶれが集まる。
これに加え、ハットン、ベルント・ヴィースベルガー、ラファ・カブレラベロー、ブランデン・グレース、マシュー・フィッツパトリック、ロス・フィッシャー、マルティン・カイマー、そしてワン・ジョンフンといったヨーロピアンツアーのスター選手たちもフィールドに名を連ねている。
また、ファウラーに加え、世界17位のマット・クーチャー、2016年の「ライダーカップ」で英雄となったパトリック・リード、そして共にメジャー王者であるスチュワート・シンクとジェイソン・ダフナーといった米国のスター選手たちも、「全英オープン」への準備を兼ねてスコットランドに降り立つ。
地元スコットランドからは、同国で最も世界ランキングの高いラッセル・ノックスを筆頭に、先週の「ドバイデューティーフリー アイルランドオープンbyロリーファウンデーション」で最終日に見事な追い上げを見せて「全英オープン」の出場権を勝ち取ったリッチー・ラムゼイとデービッド・ドライズデールらが出場する。
この他にも、フィールドには、ポール・ローリーを始め、パドレイグ・ハリントン、アーニー・エルス、ダレン・クラーク、グレーム・マクドウェル、そしてトレバー・イメルマンといったかつてのメジャー王者も名を連ねている。
コース
アーバイン近郊に位置するダンドナルドリンクスは、世界有数のゴルフの楽園として知られるエアシャー沿岸に連なる世界クラスのリンクスコースのひとつである。
7,242ヤード、パー72のレイアウトは、「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」の開催コースのひとつであるキングスバーンや、昨年、初めて「ブリティッシュマスターズ」を開催したザ・グローブなどの設計を手掛けた、世界的に高名なコース設計家であるカイル・フィリップスによって設計された。
2003年にロッホローモンドGCに買収されて以来、ダンドナルドリンクスでは、ヨーロピアンツアーQスクール第1ステージ、「全英シニアオープン」予選会、そして最近では「アバディーンアセットマネジメント女子スコットランドオープン」など、多くのプロやアマチュアの大会が開催されてきた。
同コースでは、2週間後に史上初の女子ヨーロピアンツアーとLPGAツアーの共催大会となる「アバディーンアセットマネジメント女子スコットランドオープン」が開催される。
当時世界ナンバーワンだったリディア・コーや、「ソルハイムカップ」プレーヤーのスーザン・ペターセンが出場した2015年の「女子スコットランドオープン」後、クラブのオーナーたちは新しいクラブハウスの建設を含むコースの改修プランを考案した。
コースそのものに関しては、カイル・フィリップスによる監修のもと、いくつかのグリーンの面積が拡大され、グリーンによっては傾斜を緩やかにするべく、均(なら)された箇所があり、この改修により、大会用のセッティングに幅広いオプションが生まれた。
トリビア
・「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」は2017年で35回目の開催となる。1972年に開催された第1回大会では、ネイル・コレスがプレーオフの末、ブライアン・ハゲットを下して優勝を飾った
・「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」はこれまで「全英オープン」の前週に開催されてきたが、1986年のみ、「全英オープン」の前週には「カーケアープランインターナショナル」が開催された(1986年の「スコットランドオープン」は8月にハッグスキャッスルで開催された)
・ディフェンディングチャンピオンのアレックス・ノレンは、大会史上初の連覇を狙っている。ノレンは2016年にキャッスルスチュワートGLで1打差の勝利を飾って以降、「オメガヨーロピアンマスターズ(2016年)」、「ブリティッシュマスターズ(2016年)」、「ネッドバンクゴルフチャレンジ(2016年)」、そして「BMW PGA選手権(2017年)」と、ヨーロピアンツアーで4勝を挙げている
・「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」では、これまで14カ国から31人の王者が誕生しており、うち8人はメジャー王者である
・ここ10年の優勝者の国籍は8カ国となっている。内訳は、スウェーデン(アレックス・ノレン)、米国(リッキー・ファウラーとフィル・ミケルソン)、イングランド(ジャスティン・ローズとルーク・ドナルド)、インド(ジーブ・ミルカシン)、イタリア(エドアルド・モリナリ)、ドイツ(マルティン・カイマー)、北アイルランド(グレーム・マクドウェル)、フランス(グレゴリー・アブレ)
・2017年の「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」に出場するメジャー王者は、スチュワート・シンク、ダレン・クラーク、ジェイソン・ダフナー、アーニー・エルス、パドレイグ・ハリントン、トレバー・イメルマン、マルティン・カイマー、ポール・ローリー、グレーム・マクドウェル、ロリー・マキロイ、アダム・スコット、そしてヘンリック・ステンソンの12人
・世界のトップ50から18人がダンドナルドリンクスでティオフする(6月19日の時点での数字)
・2013年にキャッスルスチュワートで大会を制したフィル・ミケルソンは、史上初となる「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」と「全英オープン」の2週連続優勝を達成した
・ダンドナルドリンクスでは、これまで「全英シニアオープン」予選会(2012年)、「少年アマチュア選手権」(2014年)、そして「女子スコットランドオープン」(2016年)が開催されている
・今年は初めて「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」と「女子スコットランドオープン」が同一コースで開催される。女子の大会はダンドナルドリンクスにて7月27日から30日にかけて開催される