6ホールにエンタメ要素を凝縮!「ゴルフシックス」はこんな大会
■大会方式
今週開催の「ゴルフシックス」の導入により、欧州ツアーは新たな領域へと移行することになる。これはゴルフではあるが、皆の知っているゴルフではない。
チーム戦によるマッチプレーが2日間にわたり行われる今週末のロンドンは、興味深いことになるだろう。
4日間をかけた72ホールのストロークプレーという伝統的な方式ではなく、今大会はグリーンサム方式が採用されるので、チームで良かった方のティショットを選択し、その後はそのボールを交互に打ってホールアウトすることになる。
土曜のグループリーグでは、UFEAチャンピオンズリーグにように、4チームが4グループに分かれて総当たり戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントへと進出する。日曜には、準々決勝、準決勝、3位決定戦、そして決勝戦が行われる。
■フィールド
「ライダーカップ」のチームメイトであるクリス・ウッドとアンディ・サリバンは、イングランド代表としてタッグを組み、第1シードとして第1回「ゴルフシックス」に出場する。
フランス代表は先週の「ボルボ中国オープン」で欧州ツアー4勝目を挙げた目下絶好調のアレクサンダー・レビーとグレゴリー・ボーディがコンビを組む。
出場32選手中、19選手は、これまでにプロレベルの大会で国を代表してプレーした経験を持っている。今回出場するチームで、初めてプロとしてチーム戦をプレーする選手同士がコンビを組むのはスウェーデンと米国の2チームのみであり、ブラッドリー・ドレッジ(2005年ワールドカップ)、マーク・ウォーレン(2007年ワールドカップ)、そしてトービヨン・オルセン(2016年ワールドカップ)の3人は2人一組のチーム戦で優勝した経験を持っている。
1. イングランド:クリス・ウッド、アンディ・サリバン
2. タイ:トンチャイ・ジェイディー、キラデク・アフィバーンラト
3. 豪州:サム・ブラゼル、スコット・ヘンド
4. 南アフリカ:ダレン・フィチャート、ブランドン・ストーン
5. デンマーク:トービヨン・オルセン、ルーカス・ビェルレガード
6. フランス:アレクサンダー・レビー、グレゴリー・ボーディ
7. スペイン:パブロ・ララサバル、アレハンドロ・カニサレス
8. ウェールズ:ブラッドリー・ドレッジ、ジェイミー・ドナルドソン
9. 米国:ポール・ピーターソン、デービッド・リプスキー
10. オランダ: ユースト・ラウテン、レイニール・サクストン
11. ベルギー:ニコラス・コルサーツ、トーマス・デトリー
12. スウェーデン:ヨハン・カールション、ヨアキム・ラガーグレン
13. インド:SSP.チャウラシア、Sチッカランガッパ
14. ポルトガル:リカルド・ゴウベイア、ジョゼ・フィリペ・リマ
15. イタリア:マッテオ・マナッセロ、レナート・パラトーレ
16. スコットランド:リッチー・ラムゼイ、マーク・ウォーレン
■開催コースと使用ホール
ロンドンの北西、セントアルバンズ付近に佇むセンチュリオンクラブは、サイモン・ギドマン設計による2013年開場のコースである。ラフなどの大部分は地元産のフェスキュー芝に覆われており、近年はリンクス特有の雰囲気を高めるため、グリーン回りやフェアウェイにもこのフェスキューが追加された。
各ホールのティは、80個のバンカーと4つの大きな池が配された景観が望めるよう、フェアウェイよりも高い位置に配置されており、これら全てのハザードは、注意深いプレーの組み立てにより回避することができるようになっている。
今週、選手たちは以下の6ホールで形成される大会仕様に改修された全長2276ヤード、パー24のコースをプレーする。
<ショータイム>
全ては1番ティの経験次第である。ここで、選手たちは音楽と打ち上げ花火とともに入場する。ギャラリーはグランドスタンドに陣取り、ティとグリーンの両方には大画面が設置される。
<バーディは世のために>
ここでは欧州ツアーのチャリティ精神が主役となる。2番ホールでバーディが記録されると、チャリティへの寄付、そしてギャラリーへのプレゼントが行われることになる。
<パワー>
525ヤードの3番ホールでは、リーダーボードがドラコン成績表へと転じるため、選手たちは自慢のパワーを誇示する機会を得ることになる。
<ショットクロック>
4番ホールの本質はプレーの速度となり、設置されたショットクロックが各ショットに対し、40秒のカウントダウンを行う。グリーン、フェアウェイ、そしてティにデジタル時計が設置され、制限時間内にショットを打たないと1罰打が加算される。
<精度>
5番ホールでプロフェッショナルたちは、ピンに寄せる精度が試されることになる。また、ここではジェイムソンアイリッシュウィスキーバーにて観戦することもできる。
<フィナーレ>
1周6ホールの最終ホールでは試合後にインタビューが行われる。日曜に試合がプレーオフへ持ち越された場合は、このホールの特設ティからプレーが行われ、大会後のトロフィー授与はグリーンを望むバルコニーにて行われる。
■トリビア
・センチュリオンクラブで欧州ツアーの大会が開催されるのは今回が初めて。
・センチュリオンクラブは、ハートフォードシャーで欧州ツアーの大会を開催する4番目のコースとなる。ムーアパーク(西コース)、ハンバリーナマー、そしてザ・グローブその他の3コースにあたる。
・大会は2人一組の16チームから成る。出場32選手中、24選手は欧州ツアーでの優勝経験を持っている。
・出場32選手で、「ライダーカップ」でプレーしたことがあるのは、ニコラス・コルサーツ、ジェイミー・ドナルドソン、アンディ・サリバン、そしてクリス・ウッドの4人。
・出場選手中、公式世界ゴルフランキングが最も高いのは、イングランドのアンディ・サリバン。
・出場選手中、現在「レース・トゥ・ドバイ」ランキングが最も高いのはフランスのアレックス・レビ。
・すでに2017年シーズンで優勝しているのは、サム・ブラゼル(UBS香港オープン)、S.S.P. チョウラシア(ヒーローインドオープン)、ダレン・フィチャート(ヨハネスブルグオープン)、アレックス・レビ(ボルボ中国オープン)、そしてブランドン・ストーン(アルフレッド・ダンヒル選手権)の5人。
・最年少チームは、合計44歳のマッテオ・マナッセロ(24)とレナート・パラトーレ(20)が組むイタリアチーム。一方、最年長はブラッドリー・ドレッジ(43)とジェイミー・ドナルドソン(41)が組むウェールズで、2 人合わせて84歳となる。個人ではパラトーレの20歳が最年少で、47歳のトンチャイ・ジェイディーが最年長となっている。