ホールインワンを達成したストームが一躍首位へ
「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」は3日目を終え、この日ホールインワンを奪ったグレーム・ストームが通算16アンダーまでスコアを伸ばして単独首位に立つ展開となった。
217ヤードのパー3の11番でホールインワンを達成したストームは首位タイに並ぶと、その後、首位で並んでいたブルックス・ケプカが最終ホールでダブルボギーを叩いて通算14アンダーまでスコアを落とした。
スイスの地でヨーロピアンツアーでの個人ベストとなる「63」を記録したトミー・フリートウッドが単独2位につけている。
とはいえ、この日の主役は「64」でラウンドした「レース・トゥ・ドバイ」で159位のストームだった。
11番ではティグラウンドの左側にティアップしたストームの放ったショットは、グリーン手前で弾むと、そのままグリーン右側に切られたカップに吸い込まれて行った。
この神業を喜んだイングランドのストームには10万ポンド相当のBMWのスポーツカーが贈られる。
ストームはこのホールインワンを「完全なる高揚感」と表現し、「信じ難い気持ちだ」と続けた。
「今季序盤にモロッコでもホールインワンを決めて、その時はランプを貰ったから、今回の賞品はそれをちょっと上回るものだね」。
「車をゲットしたのは本当に素晴らしい。特に、2台の車を持つ余裕がなく、自分の車を売らなければいけないところだっただけにね」。
「ボーナスを貰ったようなものだね。でも、ここへは何度か来ているから、元を取ったという感じかな」。
2007年の「フランスオープン」で唯一のヨーロピアンツアー制覇を果たしているストームは、ホールインワンを決めるまで、4バーディ、2ボギーでラウンドしていた。
ホールインワンを決めた後は3バーディ、1ボギーとしたが、ケプカがスコアを落としたため、最終ホールのパーが大きな価値を持つこととなった。
8バーディを奪ったフリートウッドは、パー4の2番で唯一のボギーを叩いた。それ以上に痛手だったのがケプカで、彼は唯一スコアを落とした18番でダブルボギーを叩いている。
「『66』でがっかりすることはないけれど、最終ホールはほろ苦いものとなってね」とケプカ。
「酷いティショットで、2打目で問題を更に深刻化させてしまったんだ」。
「でも笑って済ませるしかないね。明日があるし、こういうのが尾を引かないようにしないとね」。
「僕はのんびり屋だから、必ず5分後には綺麗さっぱり忘れているよ。どちらにしろ、そうでないとね」。
フリートウッドは、「ここ数週間は良いゴルフができていませんでした。今週は練習レンジでは良い感じで打てていましたが、それだからコースでも上手く行く保証はありませんからね」と述べた。
「でも、今日のアイアンショットは本当に冴えていました。ピンを外したショットなんて1打もなかったのではないでしょうか。パターも好調でしたので、全てが合致したという感じです」。
この上位3名の好スコアは、美しい日和となった絶景のクランスシュルシエレでの1日の典型的なものとなった。
共にこの日のベストスコアとなる「62」で3日目をラウンドしたピーター・ローリーとノーボギーのマルコ・クレスピはそれぞれ通算9アンダーと10アンダーまでスコアを伸ばした。
ローリーはパー3の16番で叩いたボギーさえなければ、更に首位との差を縮めていたことだろう。
彼は何れもバーディでスコアを伸ばし、1番と8番からは3連続バーディを奪っている。
「昨日は予選を通過できてラッキーだった。最終ホールで4.5メートルのパットを沈めてギリギリのところで予選通過を果たせたんだ」とローリー。
「今朝は良いスコアで回ろうと意気込んだけど、いきなり近距離のパットが続けて決まったんだ。残り数ホールというところでは、魅惑の『59』も行けるかもしれないと思った。残念ながらそれは成らなかったけれど『62』は素晴らしいスコアだよ」。
3日目を首位で迎えたリッチー・ラムジーは初めの4ホールで3つボギーを叩くも、その後はこの日のラウンドをイーブンパーとするまで盛り返した。
ラムジーは通算12アンダーとして、パー4の12番でトリプルボギーを叩くまで首位に並んでいたジェイミー・ドナルドソン、そしてティレル・ハットンと並んでいる。彼らは4位のデビッド・リプスキーの1打後方につけている。
シェーン・ローリーと共にストームと同組でプレーしたリプスキーは、ラウンド後、ホールインワンについて回想した。
「あれは最高だった」とリプスキー。「シェーンが素晴らしいショットを打ち、僕が更に良いショットを打ったら、グレームがホールに入れてしまったんだ」。
「あれは楽しいひと時だったね。ギャラリーはとてもノリが良くて熱狂的だったから、あれ以上は望むべくもないね」。