完璧なドレッジが好調をキープ
ウェールズのブラッドリー・ドレッジが同胞のジェイミー・ドナルドソンから「D+D REALチェコマスターズ」の首位の座を奪い取った。とはいえ、後者は来月の「ライダーカップ」デビューへ向け、順調に大会を進めてはいる。
先週、デンマークで2位に入ったドレッジは、プラハのアルバトロスゴルフリゾートでの3日目を6バーディ、ノーボギーの「66」でラウンドし、通算12アンダーまでスコアを伸ばした。
これにより、彼はデンマークのソレン・ケルドセンとドナルドソンに2打差をつけ首位で最終日を迎える展開に。ドナルドソンは一時、4打差の首位に立っていたものの、その後はらしからぬミスを連発した。
ドレッジは先週の好パフォーマンスにより、ヨーロピアンツアーでは2010年以来初となるトップ5入りを果たした。彼は怪我と不振により2年前よりシード権を失ったままでいる。
「今日はベストの当りだったわけじゃないけれど、良いスコアの出るラウンドだった。それは間違いないね」とドレッジ。「2012年の暮れにシード権を失い、その後は健康上の問題を抱えていたんだ」。
「今年は自分のプレーしているカテゴリーがとても低いから、プレーをする時は良いプレーをしないといけないんだ。問題は改善しているから、じきに全て解決する筈さ」。
「先週は僕にとって大きかった。勝てなかったし、勝てていれば最高だったのだけど、マーク(ウォーレン)は最終日に素晴らしいプレーをしたと思うし、自分自身を良くコントロールして僕を完全に上回ったからね。僕は勝つのに十分なプレーができなかった」。
「それでも凄く良いゴルフがプレーできたと思うし、そこから大きな自信も得られたんだ。あの調子を今週もここへ持ってきたいと思っていたし、これまではそれができているね」。
ここプラハで賞金3万ユーロを獲得することにより来月の「ライダーカップ」デビューが確約される38歳のドナルドソンは初めの2日間を「66」と「69」でラウンドし、大会を通算9アンダーで折り返しグレゴリー・ボーディに1打差をつけて首位に立っていた。
世界29位のドナルドソンは3日目も素晴らしい出だしを見せた。パー5の1番で2打目をピン側2メートルに寄せる美技を見せ、このイーグルパットを沈めると、4番でもアイアンショットが火を噴き、ここでは1.5メートルのバーディパットを決めたのである。
ドナルドソンは3パットした5番ではスコアを落とすも、7番でバーディを奪ってスコアを取戻して見せた。
しかしながら、8番ホールからプレーの糸がほつれ始めた。ヨーロピアンツアー2勝のドナルドソンは2打目をグリーン右に外すと、深いラフからのチップショットがグリーンに届かず、続くチップショットでは2メートルのパットを残し、このパットを決め切れずにこのホールをダブルボギーとしたのである。
ドナルドソンはパー5の9番でバーディを奪ってスコアを一つ取戻すと、同じくロングホールの12番でもバーディを奪ったのだが、13番でボギーを叩くと、12番でガードバンカーから寄せてワンパットでバーディを奪ったケルドセン、そして同じホールでタップインのバーディを奪ったドレッジに並ばれる展開となった。
アイアンショットに冴えを見せたドレッジは14番と15番でバーディを奪って単独首位に躍り出ると、最終ホールでは2.5メートルのバーディパットを外したため、ヨーロピアンツアー2勝のドレッジがコースレコードに並ぶことはなかったが、ドナルドソンが最終ホールをボギーとしたことにより、2006年以来の優勝を狙う41歳のドレッジは最終日へ向け2ストロークのリードを築くことに成功した。
「初日以来ボギーを叩いていないのがいいね」とドレッジ。「バーディが全てスコアに勘定されるわけで、ここ2ラウンドには大満足だよ。だから、もし明日もこのプレーができたら天にも昇る心地がするだろう」。
「首位に立ち、この大会でも優勝争いをできているがいいね。僕らはそのために練習をしているわけで、僕はこの大会を楽しめているし、明日も良いラウンドになればと思っている」。
「正直なところ、自分でも驚いている。我々ゴルファーというのはとても単純な人間で、僕らは1打1打考えてベストを尽くすものなんだ。究極的にはそれが僕らの目標で、どこにボールがあってもその都度ベストのショットを打とうと心掛けるんだ」。
「もう少しボールストライキング(フルスイングの当り)の良いラウンドになればとは思っている。というのも、今週はいつも通りの当りが出ているわけではないし、特にこのコースで鍵となるティショットがそこまで良くないんだ。でも、さっきも言ったように、良いスコアは出せている」。
「僕は上位にいて、スコアボードの天辺にはウェールズ国旗が二つあったんだ。あれは久方ぶりのことだったろうね」。
ケルドセンとドナルドソンはそれぞれ3日目を「68」と「71」でラウンドし、フランスのグレゴリー・ボーディーが通算9アンダーとして4位で続いている。
「今日はリードを広げるチャンスだった」とドナルドソン。「十分に良いプレーもできたけれど、そうでないプレーもあった。お粗末なミスが多すぎたけれど、それもゴルフだ。ここのところ、随分とゴルフをプレーしているから」。
「そんなに疲れているわけではない。大会が終われば疲労を感じるかもしれないけれど、良いプレーができていれば、大会中はアドレナリンが駆け巡り続けるんだ。僕は今、そんなに悪くないからね」。
ケルドセンのラウンドは15番で叩いたボギーにより崩れる危険性があったのだが、その後、8メートル近くあったパーパットを沈めたことにより持ち直し、ヨーロピアンツアー3勝のケルドセンをリーダーボードの上位に留めることとなった。
「完璧なゴルフと、ラスト数ホールはファイティングスピリットの問われるゴルフという組み合わせで、良い感じの混じり具合だったね」とケルドセン。彼は5年前に優勝して以来、勝利から遠ざかっている。
「素晴らしいひと時を送っている。今日も気のいい連中とラウンドしてとても楽しかった。その上、良いプレーができているのだから、これに勝るものはないよ」。
「素晴らしいね。ブラッドリーとのプレーはいつだって楽しんできた。彼は素晴らしいプレーヤーだけど、幾つか怪我を抱えていた。それだけに、彼の調子がいいのは嬉しいし、僕らはプレーを楽しんでいるんだ」。
「少しずつ歩を進める感じで、この3日間は上手く行ったし、これを積み重ねて行って、どこまで辿り着けるのか見極めようと思う」。
「ライダーカップ」の座を狙うスコットランドのスティーブン・ギャラハーは3日目を1アンダーの「71」でラウンドし、通算8アンダーで5位タイにつけているが、同じ立場のジュースト・ルイテンはこの日のスコアを「73」として大きく順位を落としたため、自動選出を果たすには来週のイタリアでとてつもないパフォーマンスが求められることになりそうだ。