2014年 BMWインターナショナル・オープン

サノッティによる素敵な初優勝

2014/06/30 08:56

ケルン近郊のGCゲートレーシェンホフで開催されている「BMWインターナショナル・オープン」は4人によるプレーオフを制したファブリシオ・サノッティがパラグアイ人選手として初めてヨーロピアンツアーでの優勝を飾った。

今季再びシード権を取り戻した31歳のサノッティは、世界2位のヘンリック・ステンソンがティショットを池に落としたプレーオフ5ホール目まで忘れ難い成功の瞬間を待たなければならなかった。

池に落としたステンソンはその後のピッチショットをバンカーに入れたことにより、命脈尽きたことを悟り、この躍進的な成功を手にするまでヨーロピアンツアーで2位に3度入っているサノッティにコンシードした。

ラファ・カブレラベローグレゴリー・アブレも4人によるプレーオフに加わりはしたが、最終日を「65」でラウンドし、プレーオフの一角を占めることになったサノッティの勝利を妨げることは叶わなかった。

「我慢しました。プレーオフでは1打1打プレーすることを心掛けました。とてもハッピーです」とサノッティ。

「今日は良いプレーができればチャンスがあるのは分かっていました。今日は私の日でした」。

「随分と努力してきましたし、この瞬間の為に自信を積み上げてきました。そして遂にこの場に立ちました」。

2日連続でノーボギーの「65」でラウンドしたサノッティは、プレーオフに進出した選手の中では最終日を一番の好スコアでラウンドした選手だった。

世界305位のサノッティは、猛然とプレーオフへと歩を進めたステンソンや2日目までウィレットと首位を分け合っていたカブレラベローら格上の選手たちとプレーオフを戦わなければならなかった。

ステンソンが後半を「30」でラウンドしてプレーオフ進出を決めたのに対し、カブレラベローは終盤の3ホールをバーディ、イーグル、バーディとしてプレーオフの座を射止めた。

ステンソンは規定の最終ホールでバーディパットを僅かにショートし、寸でのところで勝利を逃すと、プレーオフ1ホール目でも同じ距離のパットを外してしまった。

アブレは3人がバーディを奪ったプレーオフ2ホール目で最初の脱落者となった。その後、プレーオフの舞台は17番ホールへと移され、その戦いのレベルは更に一段上がることになる。

その17番では3人全員がドライバーをフェアウェイへ飛ばし、揃ってバーディを奪うと、続く18番では天の配剤か、コンディションが難しくなったため、カブレラベローが2打目を池に落として脱落した。

すると、プレーオフ5ホール目の17番ではステンソンが同じ轍を踏んだため、サノッティが一躍有利な立場に立った。

パラグアイのサノッティは池を免れた為、ステンソンに何かしらの“魔法”を使うことを強いたのである。

しかしながらスウェーデンのステンソンはそのマジックを起こすことはできず、ピッチショットを大きく打ち過ぎてバンカーへ入れると、そのバンカーからのチップインに失敗しコンシードした。

その直後に祝福のシャンパンを浴びたサノッティ。昨年の「レース・トゥ・ドバイ」を140位で終えた後にツアーのシード権を獲得した彼にとって、この成功への道のりは長く感じられたかもしれない。

サノッティはPGAカタルーニャで開催されたQスクールファイナルステージで2位に入ってシード権を獲得し、ヨーロピアンツアー181戦目にして初優勝を果たしたのである。

前日まで首位に立っていたパブロ・ララサバルは前日までの素晴らしいラウンドを再現することができず、最終日をイーブンパーでラウンドし、首位から2打差の通算17アンダーで大会を終えた。

最終日までノーボギーで来ていたスペインのララサバルであったが、この日叩いた9番と14番でのボギーが高くついた。

ジェイミー・ドナルドソンサイモン・ダイソン、そしてトンチャイ・ジェイディの3人は首位から1打差で大会を終えている。

この日一番のショットは194ヤードの16番でホールインワンを達成したイングランドのジェームス・ヒースの物となった。このホールインワンにより、BMW i8を受け取ることになる21歳のヒースは、「これまで稼いだ最高額の3倍以上しますよ」と明かした。

「素敵ですね。これまでの車から格段のアップグレードになりますよ」。

2014年 BMWインターナショナル・オープン