勝負はウェストウッドとサリバンの一騎打ちへ
首位に立つイングランドのリー・ウェストウッドの築き上げたリードは同胞のアンディ・サリバンの追い上げにより1打差へと縮まり、「メイバンク・マレーシアオープン」は興奮の最終日を迎える展開となった。
先週の「マスターズ」で7位に入ったウェストウッドは、4打差の首位で臨んだ3日目のラウンドで一時は2位との差を5ストロークまで伸ばすも、最終ホールでボギーを叩くなどスコアは伸び悩み「71」でこの日のラウンドを終えた。
これで40歳のウェスウッドは通算14アンダーとし、3日目を「66」でラウンドしたかつての「ウォーカーカップ」のスター選手であるサリバンがこれを1打差で追っている。後続にはフランスのジュリアン・ケンが通算10アンダーで3位につけており、4位には通算9アンダーでベルギーのニコラス・コルサーツが続いている。
1番ホールでは6メートルのバーディパットを沈めたウェストウッドだったが、アントニオ・ラスクーナが見せたスタートダッシュを前に、前日までのリードは瞬く間に半分に削り取られてしまった。かつての世界ナンバーワンが、続く2番で短いパーパットを外したのに対し、ラスクーナは出だしの3ホールで2つのバーディを奪ったのである。
しかし、ロングホールの5番でウェストウッドがバーディを奪ったのに対し、フィリピン出身の43歳のラスクーナはドライバーで放ったティショットをOBとし、4打目を池に落としてこのホールで8打を叩いた為、その差は5ストロークに広がった。
この後、ウェストウッドは3打差の首位で前半を折り返すと、前日、ティショットをグリーン手前の池に落としてダブルボギーを叩いたパー3の11番で、5.5メートルのバーディパットを沈め、2位との差を再び4打差まで広げることに成功した。
しかし、前半を「33」で折り返したサリバンが12番で同様の距離のバーディパットを決め、直ぐ様その差を3打に戻した。
先月の「ハッサンIIゴルフトロフィー」で2位に入ったサリバンは、16番で湾曲したラインのバーディパットを沈めて更にその差を縮めると、残りの2ホールをパーとして、3日目を「66」という好スコアでラウンドした。
そして、最終ホールで2打目をフェアウェイバンカーへ打ち込んだウェストウッドがこのホールをボギーとしたことにより、イングランド人の二人は僅か1打差で日曜を迎える展開となった。
「今日はコースがトリッキーだった」とウェストウッド。「初めの2日間ほど良いプレーができなかったわけだけれど、幾つか難しいピンポジションがあり、今日は本当に暑かった」。
「ゴルフをやっていてここまで暑かったのは、もう随分と長いことなかったね。艱難辛苦(かんなんしんく)というやつだったけれど、首位のまま最終日を迎えられるのだから、その部分については満足しているよ」。
ヨーロピアンツアー初優勝を狙うサリバンは、「また良いプレーができたね。ミスをできる限り減らそうと努めたんだ」と語った。
「たった一つミスを犯したけれど、すぐに取り返した。締めくくり方にも満足している」。
「15番と16番では多少疲れを感じた。幾つかお粗末なスイングをしたのだけれど、それでもスコアを落とさずに済んだ。16番ではいいパットを決めて勢いを持続することができたんだ」。