マスターズへ向け、自信を伺わせる天才マキロイ
今週末の「マスターズ」へ向け、ロリー・マキロイは好感触を得ており、非常に落ち着いた雰囲気のなか、彼が米国の地で開催されるメジャー選手権で唯一勝利していないメジャー大会へ臨むことができそうだ。
2011年の「全米オープン」と2012年の「全米プロ」で大勝利を収めたマキロイは、彼のトロフィーの陳列棚にグリーンジャケットを加えることができれば、歴史に名を刻む偉大なるゴルファーとしての地位を更に確固たるものにするだろう。
4つあるメジャーのうち、マキロイの成績が最も振るわないのはこの「マスターズ」であるが、目下好調の波に乗るアルスター出身のマキロイは、そんな過去の成績をよそに、6度目となるオーガスタナショナルでの挑戦へ自信を覗かせている。
マキロイは、「昨年に『マスターズ』へ臨んだ時と比べると、今回はずっと落ち着いているんだ。去年はオーガスタへ向け準備を整えるには、もっとプレーしなくては、と思っていた。全てにおいて落ち着かなかったのだけれど、今年は3週間のオフを取り、気分は落ち着いているし、自分のゴルフにも満足しているんだ」と語った。
「大会へ備えるため、月曜と火曜にオーガスタで練習ラウンドを回ったんだ。ところが、去年はこれをやらなかった。というのも実戦でのラウンドの方が必要だと感じていたんだ」(註釈:このコメントは4日のものであるため練習ラウンド回ったのは先週の月曜と火曜)。
「しかし、今年は素晴らしいシーズンオフを過ごすことができた。冬の間、練習に励み、今季は良い出だしとなっている。今年は既に何回か勝つチャンスがあって、まだ任務遂行とまではいっていないけれど、それは問題の種類としては悪いものじゃないし、少なくとも優勝のチャンスがあるところでプレーできているわけだからね」。
タイガー・ウッズの欠場が伝えられる前からマキロイは例年通り優勝候補の一角と目されており、慎み深い彼は自ら優勝候補の最右翼と公言することはないものの、北アイルランド人の彼は当然のことながらアダム・スコットに続いてグリーンジャケットを着ることにやぶさかでない。
「今年は自分でも優勝候補の一人だと思っている」とマキロイ。「今ここで君とこうして座りながら、僕は優勝候補じゃないよ、なんて言うつもりはないよ。自分のゴルフに好感触を得ているし、優勝のチャンスは十分にあると思っている」。
「でも、オーガスタでは毎年素晴らしいプレーをする選手が沢山いるからね。思うに、ここ10年から15年の間にここで良いプレーをしている選手は、このコースの乗り切り方を知り尽くしているだけに、コースに対して全く違和感がないんじゃないかな」。
「例えばフレッド・カプルスなんかはそうだけど、彼は毎年ここで良いプレーをしているよね。それだけに優勝者を予想するのは難しいけれど、僕は勿論自分を優勝候補の一人だと思っているよ」。
大西洋を挟んだ両側で新しい世代の選手たちがそのポテンシャルを遺憾無く発揮し始めるなか、マキロイは特定の選手がゴルフ界を席巻する時代は終焉を迎えたのではないかと思っている。少なくとも今のところは。
しかし、世界7位のマキロイが「全米オープン」と「全米プロ」の両方を8打差で制したあの時の調子を取り戻すことができれば、今週、他の選手たちは2位を目指してプレーすることになるはずだ。
彼はこう語る。「過去数ヶ月の勝者を振り返ってみると、毎週違う顔ぶれが並んでいるよ。なんだか、ゴルフの神様がこのゲームに確たる地位を築き、ゴルフ界を支配する選手が出現するのを待っているみたいじゃないか」。
「過去には、タイガーが年間9勝、10勝と挙げていた時期があった。でも最近はそういう選手がいないし、優勝のチャンスを秘めて大会に出場する選手が増えているだけに、ツアーで優勝することが難しくなってきているんだ」。
「だからこそ何人かの選手は絶対的な王者を目指すべきなんだよ、それこそ人々が見たいと思っているものだからね。ゴルフにとっても、毎週トーナメントで勝利を重ねるような存在が現われるのは素晴らしいと思うよ。それによりライバル関係が生まれるわけだし、そういったライバル関係は、ゴルフ界ではもう何年も見られていないからね」。
「一人のゴルフファンとして、誰かが抜きん出るのを見たいと思っているし、勿論それが僕であることを願っているよ」。