アジアが見事なカムバックを見せ勝負は引き分けに
第1回「ユーラシアカップ」は土曜のシングル10試合でアジアが見事な挽回を見せ、決戦は10-10のドローで終幕を見た。
最終日は一日を通してアジアが、2012年の「ライダーカップ」でヨーロッパが果たした「メダイナの奇跡」の再現をするかのような勢いで試合を進めた。
木曜のフォアボールをヨーロッパの5-0と全敗を喫したトンチャイ・ジェイディー率いるアジアは翌日のフォアサムを終えヨーロッパの7-3としたため、土曜のシングルではヨーロッパが3.5ポイントを獲得すれば勝負が決すると言う状況でこの最終日は幕を開けた。
最終日はジェイディーが「ライダーカップ」のヒーローであるグレーム・マクドウェルに3&2で勝利してこの日初めてのポイントを奪うと、その後アジアは5試合で勝利したため、全てはスペインのゴンサロ・フェルナンデス・カスターニョと谷原秀人の一戦に委ねられることとなった。
16番ではフェルナンデス・カスターニョがイーグルを奪って勝負をオールスクエアに戻すと、17番では谷原がガードバンカーからのパーセーブに成功し、勝負は五分のまま最終ホールに突入した。
最終ホールでは二人とも勝負を決めるバーディを奪う事ができず、フェルナンデス・カスターニョが痺れる1メートルのパーパットを沈め、更に短いパーパットを残した谷原をコンシードしたため、勝負は引き分けに終わった。
ジェイディーによるマクドウェルからの勝利はアジアにとってこの上ないスタートとなり、一方で50歳のミゲル・アンヘル・ヒメネスはワイルドカードで出場した23歳のマレーシア人選手であるニコラス・ファンを相手にあらゆる経験を駆使し、18番でバーディを奪うことによって勝利をたぐり寄せた。
トーマス・ビヨーンを相手に、残り4ホールで1ダウンと劣勢に立たされていたタイのキラデク・アフィバーンラトは、その後の2ホールでバーディを奪って逆転すると、17番をパーとした事により2&1での勝利を確定させた。
その後、キム・ヒョンソンが不調のパブロ・ララサバルに4&2で勝利すると、ジェイミー・ドナルドソンと対戦したプラヤド・マークセンが18番でバーディを奪い勝利にあと一歩という所まで近づいた。
しかしながら、ドナルドソンも高まる緊張感を抑え、マークセン同様に最終ホールをバーディとしたため、勝負を引き分けに持ち込み、両者が0.5ポイントを分け合う形になった。尚、ドナルドソンは前半を終えた時点では4アップと大きくリードしていた。
続く試合ではガガンジート・ブラーがトービヨーン・オルセンを4&3で下し、アジアに更なる1ポイントをもたらした。そして、16番と17番を続けざまに奪ったアニルバン・ラヒリがビクトル・ドュビッソンに2&1で勝利を収めると、3試合の結果を待つ状況で両チームが8.5ポイントで並ぶ展開になった。
散々な一日になったスティーブン・ギャラハーが15番で木立にボール打ち込んでロストボールとしたことにより、シディクール・ラーマンに大敗を喫すると、今週初めてアジアがヨーロッパを先んじることに成功した。
それでもヨーロッパは、日本の小田孔明と対戦していたジュースト・ルイテンが、3アップとしていたリードを1アップと減らしながらも、18番での痺れる1.5メートルのパーパットを決めたことにより、勝負を五分に戻すことに成功した。
これにより全てはフェルナンデス・カスターニョと谷原の双肩にかかることになった。15番で短いパーパットを外したフェルナンデス・カスターニョは1ダウンと先行を許すも、続く16番では谷原が6メートルのバーディパットを沈めてプレッシャーをかける中、瞠目のイーグルを奪い、直ぐさま勝負をオールスクエアに戻した。
17番では谷原が3メートルのパーパットを沈め、勝負の均衡を保つと、最終ホールでは両者ともバーディチャンスにつけられず、最後はフェルナンデス・カスターニョがしっかりとパットを沈めて勝負はオールスクエアで大団円を迎え、大逆転での敗戦を免れたヨーロッパの面々は安堵の溜息を漏らしたのである。