フィッシャーがセンチュリオンの地で単独首位へ
後半を僅か「30」でラウンドしたイングランドのロス・フィッシャーが「ツワネオープン」の折り返し地点で単独首位に躍り出た。
2010年の「ライダーカップ」欧州代表チームの一員だった33歳のフィッシャーは、1番ホールでバーディを奪う幸先の良い出だしとなったものの、その後は8ホール連続パーと我慢のゴルフが続いた。
しかし、10番ホールでこの日2つ目のバーディを奪うと勢いに火がつき、13番ではピッチショットをピンそば30センチにつけて3つ目のバーディを奪うなど、目覚ましいチャージを開始した。
その後フィッシャーは15番で12メートルのイーグルパットを沈めると、16番では3メートルのバーディパットを、続く17番では4.5メートルのバーディを決め、3ホールで4つスコアを伸ばすことに成功した。
この後半の猛チャージにより2日目を「65」でラウンドし、通算13アンダーとしたフィッシャーは、南アフリカで好調を維持するデンマークのモルテン・オラム・マドセンに1打差をつけて単独首位で大会を折り返した。
「とても格別だったね。こういうラウンドができるといつだって限りなく嬉しいものさ」とフィッシャー。「後半は出だしのホールをバーディで入り、13番では素晴らしいショットが打てて30センチほどのところへ寄せることができ、そこから火が着いたね」。
「パー5でのイーグルは大きなボーナスだった。18番でバーディを奪えなかったのは残念だったけれど、あのチップショットをしっかりと寄せて、7アンダーでラウンドできたのだから良かったよ」。
「僕はかつて世界17位まで行ったことがあるから、高い目標を設定しているんだ。あそこまで上り詰めることができたのだから、また戻ることができる。ただ、ハードワークできるかどうかの問題なんだ、とね」。
「プレー自体は良いにもかかわらず、ここ数年勝てていないね。チャンスはあったのだけれど、随分と長い間、多くの大会でパットに失望してきたんだ」。
「昨日はパットが決まったし、今日も良いパットが幾つも入ったのですごく自信がついたよ。素晴らしい週末への前兆だね」。
「もう随分長い間、優勝する準備は整っていると感じてきた。あとはゴルフの持つ様々な要素が同じ週にピタリと合わされば良いだけなんだよ。何回も言ってきたことだけど、ロングゲームの調子は随分前から良いのに、パットが駄目だった。ロングゲームは相変わらず好調だし、パットも良いから週末へ向けとても前向きでいるし、すごく楽しみなんだ」。
「南アフリカオープン」王者のマドセンはコッパーリーフゴルフ&カントリーエステートでの2日目を7バーディ、ノーボギーの「65」でラウンドし、通算スコアを12アンダーまで伸ばした。
インスタートだった25歳のマドセンは出だしの5ホールで4つスコアを伸ばし集団を抜け出すと、前半を「31」でラウンド。その後、ラウンドの中盤は勢いが鳴りを潜めるも、6番と7番でバーディを奪って終盤に再度スコアを伸ばした。
最終ホールではドライバーのティショットをミスし、ボギーでこの日のラウンドを上がるかに見えたが、マドセンは3打目のピッチショットをピンそば数十センチに寄せてパーセーブに成功した。
「今朝は素晴らしいスタートでした」とマドセン。
「勝ったことにより若干落ち着いてプレーできました。どういう気持ちで臨めば良いのかが分かるのです。全てのホールでバーディを奪うのは難しいですし、逆境を上手く対処しなければなりません。72ホールにわたり完璧なゴルフを完遂するのはどだい無理な話ですからね」。
「悪いホールや悪いショットを最も上手に対処できる人が多分日曜をトップで終えることができるのだと思います。今日は後半の出だしで我慢することでき、6番と7番でのバーディに繋がりましたし、9番では良い感じでパーがセーブできましたから、良い一日の締め括りになりましたね」。
「リーダーボードの上の方に自分の名前があると良い心持ちのするものですし、その為にプレーしているのですからね。この位置につけられるように心掛けていますし、勝つチャンスがある状況で週末を迎えられるのは最高です。やっぱりこれに尽きます」。
2日目を「68」でラウンドしたイングランドのサイモン・ダイソンはヨーロピアンツアー7勝目を引き続き射程圏内に収めている。
36歳のダイソンは、雷雨のため順延となった第1ラウンドを昨日のうちに「65」でラウンドし終え、暫定首位で大会2日目を迎えたのだった。
南アフリカのトレバー・フィッシャー・ジュニアも初日は2ホールを残した状況で7アンダーとしており、今朝再開した第1ラウンドでは最初のホールでボギーを叩くも、18番でバーディを奪ったため、ダイソンと首位を分け合う形で第1ラウンドを終了した。
この二人は程なくして2日目のラウンドを開始し、ダイソンは6バーディ、2ボギーで回ってスペインのカルロス・デル・モラルと並ぶ通算11アンダーで大会を折り返した。
「良いスコアの翌日はいつも難しいんだ」とダイソン。「と言うのも、そういう時は前の日より劣っていると感じてしまいがちなんだ。ただ、僕はもう何年も選手をやっているから、今日もチャンスが到来するのは分かってはいたよ」。
「パットの調子が良いのも分かっていたから、我慢して良いパットをするようにし、結果的にそのうちの幾つかが入ったんだ」。
昨年末にQスクールを勝ち上がって出場権を手にしたデル・モラルは2日目をノーボギーの「65」でラウンドし、これでヨーロピアンツアー史上随一の全長7,964ヤードを誇るアーニー・エルス設計のコースで初日から36ホール連続してノーボギーとなった。
「すごく良いプレーができた」と28歳のデル・モラル。「今日は17回グリーンを捕えたけれど、最後は風を読み違えて若干左に外してしまった」。
「あのパーセーブは素晴らしかった。というのも、2ラウンドプレーして、あそこで初ボギーというのは何としても避けたかったらね」。
「あの最後のパットが決まったのは良かったし、今後も大会を通してああいうのが入ってくれれば良いね。ああいうのは本当に大きな違いを生み出すからね」。
フィッシャー・ジュニア、ダレン・フィチャート、そしてジェイク・ルーズの南アフリカ人トリオは通算10アンダーとし、今季のヨーロピアンツアーで南アフリカ開催となる8大会のうち地元南アフリカ勢による6勝目を狙っている。
しかしながら、12ヶ月前にフィチャートを2打差で下した前回王者のダウィー・ヴァン・デル・ウォルトは初日を「78」、2日目を「74」でラウンドし、敢えなく予選落ちを喫している。
北アイルランドのマイケル・ホーイは、10番から7連続バーディを奪うなど、首位に躍り出たフィッシャーのチャージに勝るとも劣らない猛チャージを披露し、2日目を「65」でラウンドして南アフリカのトリオと並ぶ通算10アンダーまでスコアを伸ばした。
「前にダンヒルリンクスで出した5連続(バーディ)がこれまでの自己最高だった。それで、昨日はその5連続まで行ったんだ」とホーイ。「今日は4連続まで行った際、ただ自己記録に並ぶよう自分に言い聞かせた。そして、それが達成できたから、次は記録更新を目指した。7連続まで到達した後は、もうどこまで行けるか考えないようにしたよ」。
「17番でもバーディを狙えるパットが残っていたのだけれど、遅い時間になってグリーンが多少でこぼこしていて、僕のボールは跳ねてしまい、カップの縁に嫌われてしまった。18番では不注意にもボールマークを直すのを怠ってしまい、またしてもバーディパットがカップの縁に嫌われてしまったんだ」。