勝ち上がったデュビッソンはエルスと対戦へ
「WGCアクセンチュア・マッチプレー選手権」準々決勝では、ビクトル・デュビッソンがグレーム・マクドウェルを退け、アーニー・エルスとの準決勝へ駒を進めた。これで、フランスの若者によるアリゾナでの夢のような「WGCアクセンチュア・マッチプレー選手権」デビュー戦は続くことになった。
今週は、ゲーリー・ウッドランド、松山英樹、そしてハンター・メイハンを相手にティグラウンドでリードを手にしたことのなかったマクドウェルは連日、痺れる終盤での逆転劇を演出してきたのだが、この日は16番でのスリーパットが響き、17番と18番で連続して素晴らしいパーセーブをしたドュビッソンに軍配が上がる格好となった。
パー5の2番でイーグルを奪い、その次のホールでもバーディを奪った北アイルランドのマクドウェルは、ダブマウンテンでの4戦目にして初めてリードを奪う形で優勢に序盤の試合を運んだ。
反対に、3回戦まで一度もリードを許したこのなかったデュビッソンは、4番と7番を奪って試合を振り出しに戻すと、9番ではチップインバーディを奪って1アップと逆転に成功した。
その後、マクドウェルが11番と13番、デュビッソンが12番をバーディで奪って勝負はオールスクウェアとなって終盤を迎えたが、マクドウェルはこれまで発揮してきた終盤での勝負強さを再現させることができず、最終ホールでの6メートルのパットが外れた時点で「トルコ航空オープン」の覇者であるドュビッソンの勝利が決定した。
これで、準決勝ではドュビッソンとエルスの対戦が決定し、これまで勝ち上がった二人のヨーロピアンツアーのメンバー同士の対決が実現することになった。一方、もう一組の準決勝は、米国のリッキー・ファウラーとオーストラリアのジェイソン・デイという組み合わせになった。
「今日は良いプレーをしました」とデュビッソン。「グレームがタフな対戦相手であるのは分かっていましたが、ただ自分のゴルフに徹し、彼のことは気にしないようにしました」。
「(トルコでの優勝が)自信になりましたが、更に上を目指したくなるものですからね」。
準決勝でメジャー4勝のエルスと対戦することについて23歳のデュビッソンは、「素晴らしい選手であり、とても良い人なのは知っていますが、これまで一緒にプレーしたことはありません。彼は経験豊富ですね」。
「彼は多くの大会、多くのメジャーを制してきたわけですが、私のやることは変わりません。昨日はバッバ、今日はグレームと対戦した際と同じように、自分のゴルフに徹するだけですし、彼のプレーを見て魅了されないようにするだけです」。
プレー前に長く患っている背中の故障に対する丹念な治療を受けたルイ・ウーストハイゼンは、もう少し長く大会に留まるべくコースへ打って出たのだが、結局、ジェイソン・デイに2&1で敗れている。これで、デイは2年連続でのベスト4進出となった。
かつての全英王者であるウーストハイゼンは、1番ホールのティショットを砂漠に打ち込むなど、序盤でいきなりトラブルに陥り、その後の茂みからのリカバリーに失敗すると、早々とこのホールでコンシードし1ダウンを喫した。そして、南アフリカのウーストハイゼンは続く2番でもドライバーで放ったティショットをミスしてしまい、2ダウンは必定かと思われた。
しかし、アンプレヤブル後にウーストハイゼンは、フェアウェイウッドでの見事な3打目でグリーンを捕え、6メートルのバーディパットをねじ込んで窮地から一点、このホールを奪取することに成功した。
続く3番でもバーディを奪ったウーストハイゼンは1アップとするも、2度にわたってピッチショットをミスした4番で束の間のリードが消えると、5番ではデイがバーディを奪って逆転に成功した。
その後はデイが9番と11番を奪って3アップにリードを広げたのに対し、ウーストハイゼンも13番を奪い、14番と15番ではバーディを奪って2ホール共に引き分けに持ち込んで抵抗を見せるも、最終的に勝利はデイのものとなった。
一方、米国の同胞対決となったリッキー・ファウラーとジム・フューリックの一戦は、流れが二転三転する試合展開を若手のファウラーが制す格好となった。
この試合は11番を終えた時点でファウラーが3アップと優位に立っていたのだが、そこからフューリックが目覚ましいカムバックを披露した。
フューリックは13番、14番、そして15番をバーディでものにし、16番はパーで奪って、残り2ホールで1アップと逆転に成功したのである。
しかし、この勝負は驚くべき展開を最終盤で見せ、17番と18番をパーで奪ったファウラーが再逆転で勝利を手にし、デイとの準決勝へ駒を進めたのである。
日曜の午前中に行われる準決勝でファウラーと対戦することになったデイは、準々決勝で対戦したウーストハイゼンが怪我を負っていたにもかかわらずその対戦相手を用心していたことを明かした。
「傷ついたゴルファーに気をつけろ、と昔からよく言われてきたからね。彼はここ四日間、殆ど期待値のない中で戦っていたのだと思うけれど、それが彼に幸いしたのだと思う。僕自信は良いプレーをするように心掛け、翌日へ進めるようにしたんだ」とデイ。
「このゴルフコースは大好きだし、一対一の勝負が好きなんだよ。誰が一番なのか、こうした形で戦うのは面白いね」。
一方、ウーストハイゼンは、「今朝、練習レンジでは感じが良くなかったので、がっかりしていた。その後は回復し、最後の4ホールか5ホールは、大分良い感じでボールを捉えられるようになった。良いプレーをしている時に限ってこの怪我に悩まされるのは、ちょっと手痛いし、なんとかこの問題を解決しないといけないね」と述べた。
「今日は本当に良くプレーできたと思うけれど、ジェイソンのような相手に簡単にホールを与えてはいけないね。タフな出だしになったし、そこから盛り返すのはしんどかったね」。