奇妙な優勝の法則を持続させたマクドウェル
アルストム・オープン・ド・フランスで優勝したグレーム・マクドウェルにとって、この優勝は、直近の8大会で予選落ちか、さもなくば優勝という「おかしなシーズン」の3つ目のタイトルとなった。
マクドウェルはル・ゴルフ・ナショナルで「67」をマークし、16番と17番でボギーを叩くまではたった1ストローク差だった南アフリカのリチャード・スターンに4ストロークの差をつけて通算9アンダーで最終ラウンドを締めくくった。
最後に調子を取り戻したスターンは18番でパーをセーブし、最終ラウンドを「71」として単独2位を確定させた。その1ストロークビハインドには2007年優勝のグレーム・ストームとスペインのエドアルド・デ・ラ・リバが続いた。
マクドウェルは先週の北アイルランドオープンで予選落ちしたが、その後週末もカートンハウスで留まって練習したかいがあった。この優勝賞金50万ユーロで、全米オープンのチャンピオンにしてレース・トゥ・ドバイのトップに立っているジャスティン・ローズとの差を3万ユーロに縮めた。
この勝利を受け、ミュアフィールドで開催される全英オープンを間近に控え、月曜日に更新される世界ランキングでもマクドウェルは9位から6位に上がることになる。
「この勝利は、この(奇妙な)数ヶ月の後だけに格別だね」とマクドウェルは打ち明けた。
「ここまでちょっとした闘いという感じだった。今の所、奇妙なシーズンだからね。特に自分の感覚が失われているというわけではないのだけど、通常より予選落ちが多くなっているし、予選落ちはこたえるからね。」
「この数週間は非常にモチベーションが上がったんだ。全米オープンは納得のいかない結果だったし先週のアイルランドオープンでの予選落ち、それが僕の、今日の午後のような状況にありたいという欲求を更にそそったんだ。」
最終日をスターンと並んでスタートした33歳のマクドウェルは、オープニングホールで15フィートからバーディを奪い完璧なスタートを切った。しかし、スターンは、マクドウェルがドライバーで危うく池に落とすところだったパー5の3番で2パットのバーディを奪い応戦した。
5番では両者がバーディを奪うが、その後マクドウェルはドライバーショットをミスした7番でボギーを叩いてしまう。そしてパー5の9番では最終組の双方揃ってサイドバンカーからバーディを奪った。
バックナインの出だしで調子を取り戻したマクドウェルは、10番で9フィートのバーディパットを決め勝負を振り出しに戻すと、12番ではスターンが深いラフに捕まりこの日初のボギーを叩いた為、再び先行した。
スターンは続く13番でも、安全策のアイアンによるティショットを池に落とすという、大失態を演じボギーは確実かと思われたが、ペナルティドロップからの3打目を20フィートの位置に乗せ、それをホールインして意外なかたちでパーをセーブした。
しかし幸運の女神は、ショートホールの16番でティショットを引っ張ってしまったマクドウェルに微笑んだ。そのボールは幸運にも深いラフを避けてバウンドし、直角に方向を右に変えたのである。
その結果、比較的簡単な位置からの寄せて1パットとなったのだが、パーパットを引っ張ってしまったマクドウェルはここでも運を味方につけた。 どういうわけか左側のエッジに引っ掛かってホールインした後にマクドウェルの見せたはにかみが全てを物語っていた。
これに対し、同じホールではスターンも同様にティショットを引っ張ってしまい、「Gマック跳ね(Gマックはグレーム・マクドウェルの略称)」を期待したが願いは叶わずボギーを叩き、2ホールを残してマクドウェルに2ショットのリードを与えてしまう。そして17番ホールでマクドウェルは鮮やかなバーディを奪い勝利を確実なものとした。
「このコースは非常に難しいコースだ。2018年のライダーカップは、欧州ゴルフの歴史上最高の開催地で行われると言えるかもしれない」とマクドウェルは述べた。「今週観戦している人なら誰でもこのコースがマッチプレーで提供しそうな劇的なゲーム展開が想像できるだろう」。
「今日は一日中18番ホールの事を考えていたので、辿り着いたときに余裕があってほっとしたよ。それまで少々ラッキーだった所もあったしね。15番と16番ではパッティングが良く無かったのに入ってくれたし。今週はずっとグリーンで苦しんでパットがなかなか入らなかったけれど、1週間通してボギーを4つしか叩かなかったのが鍵だろうね。」