長丁場のプレーオフを制したジャクリンが戴冠
ラファエル・ジャクリン(フランス)は彼の持つ経験全てを活かし、「スペインオープン」で欧州ツアー最長タイとなる(9ホールの)プレーオフを制し、2年ぶりの欧州ツアー優勝となった。
パラドール・デ・エル・サレルコースでの最終日、フェリペ・アグラー(チリ)、マクシミリアン・キーファー(ドイツ)とジャクリンの接戦は決着がつかず、プレーオフにもつれ込んだ。
18番ホールでそれぞれパーを決め、他の選手が脱落するまで続くエクストラホールの戦いが始まり、3回目にバーティを決めたキーファーとジャクリンの二人が残った。
アグラーはグリーンを外し、キーファーが30フィートのパットを残す一方、ジャクリンは素晴らしいアプローチを見せた。
驚くべきことに、キーファーが完璧なパットを決めたことにより、続くプレーを確実に決めたジャクリンとの、脱落したアグラーを除く形での勝負持ち越しを意味することとなった
決着は早く決まるだろうという大方の予想は外れ、2人のバトルは、1989年のオランダオープンと並ぶ、1972年の欧州ツアー設立以来最長タイとなる長さまでもつれこんだ。
彼らはいくつかの目立つアップダウンを活かしソリッドなプレーを随所に見せ、5回目のホール以降も均衡を保った。
しかし、ジャクリンは通常のラウンドを含めるとこの日10回目となる18番ホールで大きな動きを見せた。ウェッジで5フィートに付けるショットを打ち、その後のパットを決め、2011年シチリアオープン以来の優勝を決めた。
ジャクリンは「とても疲れているが、本当に、本当に幸せだよ」と、2時間以上続いたプレーオフについて語った。
「(プレーオフで)パットを決めることができなかったが、最後に決めることができた。これは私と家族にとってすごく大きな意味を持つね」。
彼は冗談めかして続けた。「11月の終わりには、赤ちゃんが生まれるんだ。優勝するたびに赤ちゃんが生まれる。数年後にはサッカーチームを持てるね!」
ちょうど10回目の欧州ツアー参戦となったキーファーの若き才能については「今年は良いスタートを切っている。彼は非常にうまくやっているし間違いなく多くの大会で優勝できるようになると思うよ」と語った。
マーク・ウォーレン(スコットランド)は、バレンシアでの最終日のほとんどを首位に立ってプレーしたが、最後の5番ホールで4つのボギーを打ち、「70」で回ったアグラー、そして「71」で回ったジャクリンとキーファーに抜かれてしまった。
2007年のジョニーウォーカー選手権以来の優勝を目指したウォーレンは、最後のボギー以外はとてもいいラウンド運びを見せ、優勝争いの集団に居続けるには十分な戦いぶりだった。
当初は、2番ホールでショットを失敗したように苦難の一日になるように見えたが、次のパー5でバーディを奪い、5番ホールではグリーンの起伏にも動じずにパーをセーブした。
彼はその次のホールで、アプローチがグリーンをオーバーしてしまった後の8フィートをカップに沈めることができずにボギーとしてしまったが、その時でさえ、まだ苦難の兆しは殆ど見えなかった。
14番と15番ホールで連続ボギーを叩いたことで、先に「70」でこの日のラウンドを終了していたアグラーと首位を分け合う形となった。
この日3オーバーとなり、今大会初めて追いつかれる状況となったウォーレンだったが、16番ホールで粘りを見せた。
アプローチで判断を誤った後、グリーンサイドのバンカーから完璧なチップを打ち、ワンバウンドした後にボールはそのままカップに吸い込まれた。
しかし、この追い上げにも関わらず、ウォーレンは次のホールで3パットしてしまったことにより、単独首位から転落し、アグラーや、最終ホールでバーディを奪ったジャクリン、そしてキーファーといった面々と並ぶこととなった。
そして更なる失望がスコットランド人を襲った。続く最終ホールでも3パットしてしまい、プレーオフ進出さえも逃してしまったのである。