猛烈なバーディ攻勢で飛び出したファダンシル
タイのチンナラト・ファダンシルはバック9を驚くべき成績の「28」で回り、「アバンサマスターズ」初日のラウンドを終えて5打もの差をつけて首位に立っている。
すでにアジアンツアーで3勝を挙げている(初優勝は17歳で遂げている)24歳の彼は、ジャイピーグリーンズGC&スパリゾートで11アンダーの「61」として、初日のラウンドを席巻した。
ファダンシルは前半を「33」で終えると、バック9の最初の4ホールをバーディとし、14番では50フィートのパットを沈め、15番(パー5)では惜しくもチップインイーグルを逃すアプローチを見せてバーディ。そして16番での2フィートにつけるアプローチはとても素晴らしく、7ホール連続バーディとなった。あと1打で欧州ツアー記録となるところであった。
17番では後半唯一のパーとし、かつてのQスクール卒業生はアイアンショットが冴えまくって最終ホールへ突入した。カップインまで6インチの位置につけ、バック9では8個目、この日11個目となるバーディを奪い、2013年レース・トゥ・ドバイにおける18ホールの最少スコアとなった。
「人生でベストのラウンドでした」と彼はラウンド後に語った。「今日は素晴らしいパットがいくつもありました。バック9では、フロント9よりもドライバーの調子が良かったんです。しかし、パットがとにかく良かったですね。それがこのスコアを出せた要因です」。
「今日はとても調子が良かったので、このまま維持していきたいです」。
これでファダンシルは5打差をつけて首位に立ったわけだが、これまで欧州ツアーで開幕ラウンドを終えた時点でこれ以上差がついたのは1度だけだ。「66」でラウンドしたマグナス・カールソンら5人がこれに続いている。
その中で最も印象深いパフォーマンスを見せたのは、インディアンツアーのレギュラー選手である、チャダだろう。彼は欧州ツアーのデビュー戦で、朝のタフなコンディションに立ち向かっていった。
バック9からのスタートした21歳の彼は、15番、16番を連続バーディとし、4番からは3連続バーディとなる「ハットトリック」を達成。6番では惜しくもイーグルというアプローチショットからのバーディであった。
「ネパールマスターズ」の優勝者である彼は、この日最終ホールとなる9番でもバーディを奪い、後半を「32」とした。
「とても良いコースだし、欧州ツアー認定の大会に出場するのは初めてだよ」とチャダは述べた。「こういう経験をすることがいままでに全くなかった。アジアンツアーでは何度かプレーしているけどね。そして大物選手と戦うことでたくさんの自信をつけることができる。とても気分が良いね」。
「アバンサマスターズに初めて出場するということについては、プレッシャーは感じていないよ。アマチュアの頃に大きな国際大会でたくさんプレーしていることが、いま役立っているかな」。
「アマチュア時代に私はインド代表として何度も海外でプレーしたことがある。その時感じた雰囲気と、今回のアバンサマスターズで感じている雰囲気とは、国際的注目度と観客の質という点で似ているね」。
2度優勝経験があるS.S.P.チャウラシアは、4アンダーの「68」でラウンドし、もう一人の地元選手であるジーブ・ミルカ・シンと1打差の位置につけている。
怪我明けのスペイン人、アルバロ・キロスも一時は4アンダーまでスコアを伸ばしたが、終盤に2つボギーを叩き、最終的には「70」としてしまった。前回優勝者のジェイブ・クルーガーは15番で池に入れてしまい、イーブンパーの「72」であった。