ジョーダン・スミスが「ポルトガルマスターズ」を完全制覇
圧巻のパフォーマンスで首位を快走し続けたジョーダン・スミスが3打差で「ポルトガルマスターズ」を制覇し、DPワールドツアー2勝目を挙げた。
最終日を2打差の首位で出たイングランド人選手は、後続にほとんどつけ入る隙を与えることなく、精度の高い傑出したショットでギャラリーを沸かせ、1イーグル、6バーディの「63」をマークし、通算30アンダーまでスコアを伸ばした。
初日から首位を譲らないワイヤー・トゥ・ワイヤーでの勝利により、2017年「ポルシェヨーロピアンオープン」以来となる勝者の輪への復帰を果たしたスミスは、躍動した2022年のレギュラーシーズンを良い形で締めくくるとともに、DPワールドツアーランキングをトップ10圏内に押し上げた。
優勝スコアは、アーニー・エルスが2003年「ジョニーウォーカークラシック」で出したDPワールドツアーの記録を1打しのぐものだったが、大会はプリファードライが適用されたため、スミスのスコアは公式記録とはならなかった。
2位には「64」をマークし、通算27アンダーでフィニッシュしたガビン・グリーン(マレーシア)が入った。
グリーンもこの日はほとんど大きなミスをすることなく、何度も素晴らしいショットを放ってスミス追撃を試みたが、最終的にスミスをとらえるには至らなかった。
首位と5打差の3位にはタピオ・プルッカネン(フィンランド)が入り、その1打後方の4位にはエディ・ペパレル(イングランド)が入った。
通算19アンダーの5位にはハーリー・ロングとセバスチャン・ヘイセルのドイツ人2人が並んだ。ヘイセルは好成績で引退の花道を飾ることとなった。
DPワールドツアーランキングをトップ117圏内に入ってこの大会を迎えた選手は、全員来季のシード権を確保することに成功。特に、セバスチャン・ガルシアロドリゲス(スペイン)は、予選落ちを喫しながらも最後のスポットを確保した。
一方、レナート・パラトーレ(イタリア)は最終ホールで約18mのバーディパットを決めながらも、118位で今季を終えてシード権確保を逃した。
この日、平穏なスタートを切ったスミスは、4番で約2.1mを決めて最初のバーディ奪って単独首位をキープした。続くパー5の5番で約8mのイーグルパットをねじ込み、スタート時点の2打差のリードを取り戻した。その後、7番と8番で入れごろのバーディチャンスを外すも、9番でバーディを奪って「31」でハーフターンした。
スミスは10番で約3mのパットを決め、2連続バーディとするも、11番で木々に打ち込み、ドロップを強いられたことで、グリーンにかすかな希望を与えることとなった。しかし、スミスは瞠目のリカバリーショットを放ち、このホールをパーで切り抜けて、自身のリードを守った。
スミスは12番で一気に通算29アンダーとするチャンスを得るも、約17mのイーグルパットはわずかに届かず、このホールはバーディとするにとどまった。
グリーンがパー3の13番でバーディを奪ったことで、スミスとの差は3ストロークに縮まるも、グリーンがウォーターハザードにつかまった14番をボギーとしたことで、スミスは再び4ストロークのアドバンテージを取り戻した。
スミスはアクセルを踏み続け、15番で約4.5mのバーディパットを決めて残り3ホールでリードを5打差に広げた。イーグルトライを惜しくも外した17番をタップインのバーディとすると、最終ホールを危なげなくパーとした。
「とにかく素晴らしかった。この5シーズンは長い我慢の時間だったけれど、きょう、ようやくその一線を越えることができた。天にも昇る心地だね」とスミスは語った。
「今日はスタートダッシュを決めて、多くのバーディを奪う必要があることは承知していた」
「後続の選手たちが僕を捉えようとするなか、好スコアが続出することは分かっていた。ガビンは僕を捉えようとしていたし、どんどん追い上げられたけれど、なんとか彼を引き離すことができた」
「少しマッチプレーみたいな感じだったね。残り5、6ホールの時点では、そういう感じになっていた。彼も3位の選手には4打差をつけていたから、僕ら2人の争いになっていたんだ」
「最初に勝てた時も良かったけれど、再びそれを成し遂げ流ことができて最高だね。優勝するために、自分にプレッシャーをかけてきたけれど、こうして2勝目を挙げることができたので、ここから何勝かするため、更に自分を上げていくことができると思う」