「カズークラシック」で知っておくべき5つのこと
DPワールドツアーは舞台がイングランドのゴルフコースに戻り、2022年シーズンのスケジュールで英国での夏場の大会が連続する中、今週はヒルサイドGCを舞台に「カズークラシック」が開催される。知っておくべき5つの重要事項は次の通り。
■ヒルサイドがツアーのスケジュールに復帰
ツアーは今年、50周年を祝福しており、今週はツアー発足初年度の1972年に大会が開催され、トミー・ホートン(イングランド)がピカデリーメダルを獲得した地へと戻ることになる。「全英オープン」開催コースのロイヤルバークデールにほど近い、サウスポートに位置するヒルサイドで最後に開催されたツアーの大会は、2019年の「ベットフレッド英国マスターズ」だった。同大会では、上がり2ホールで連続バーディを奪ったスウェーデンのマーカス・キンハルトが、ツアー初優勝を遂げている。また、ヒルサイドでは、後に「BMW PGA選手権」と名称を変える1982年の「サンアライアンスPGA選手権」が開催されており、この際はトニー・ジャクリン(イングランド)がプレーオフでベルンハルト・ランガー(ドイツ)を下して優勝した。このマージサイドにあるフレッド・ハウツリー設計のリンクスコースでは、R&A主催の大会が複数回開催されており、これまで「全英アマチュア選手権」と「全英女子アマチュア選手権」が開催されたほか、2014年から2017年にかけては「全英オープン」予選会の舞台となった。
■大会の歴史
「カズークラシック」は19年間の不在を経て、2021年にツアーのスケジュールに復帰した。この大会は元々「イングリッシュオープン」と呼ばれており、ロイヤルバークデールで開催された1988年の第1回大会では、イングランドのハワード・クラークがツアー10勝目にして自身最後の勝利を挙げた。第1回大会以降、戦いの舞台はザ・ベルフライのブラバゾンコースへ移り、その後、フォレスト・オブ・アーデン、そしてハンブリーマナーなどでも開催されている。後年「全英オープン」を制覇し、キャプテンとして「ライダーカップ」で勝利することになるダレン・クラーク(北アイルランド)は、1999年から中断前最後の年となる2002年にかけて、この大会で3勝を挙げている。
■前年大会
ロンドンクラブで開催された前年大会では、スコットランドのカルム・ヒルがDPワールドツアー初優勝を遂げ、5週連続となる初優勝者によるツアー制覇を果たした。2021年「ヒーローオープン」で同胞のグラント・フォレストに競り負けた翌週、最終日に「67」をマークしたヒルは、フランスのアレクサンダー・レビに1打差をつけて優勝し、自身キャリア初となる公式世界ゴルフランキングでのトップ100入りを果たした。27歳は今季はわずか1大会にしか出場しておらず、唯一の出場となった「コマーシャルバンクカタールマスターズ」では、2021年末に起こった昆虫に噛まれたことによる負傷により途中棄権を余儀なくされており、今週は残念ながらタイトル防衛に臨めないことが決まっている。
■英国のゴルフファン待望の夏
「カズークラシック」は、英国における素晴らしきゴルフの夏の一翼を担っている。6大会で構成されるUKスイングにおいて、この大会は「ジェネシススコットランドオープン」、そして第150回「全英オープン」に続く第3戦となる。来週、ツアーはフェアマウントセントアンドリュースで開催される「ヒーローオープン」で、この1カ月間で2度目となるスコットランド再訪を果たすと、その後は8月初旬にケルティックマナーで「カズーオープン」が開催される。そして、シリーズ最終戦となる「ISPSハンダ世界招待」は、DPワールドツアー、LPGAツアー、そしてレディースヨーロピアンツアーの共催大会として北アイルランド、バリミーナのガルゴームGCで開催される。
■年齢と共に開花
「全英オープン」の翌週に開催されるツアーの大会で、かつてシルバーメダルを獲得した選手が出場するのは、大会にとって適していると言えるだろう。アルフィー・プラントは、ロイヤルバークデールで開催された2017年の「全英オープン」で、アマチュアとして唯一予選通過を果たしたことで一躍名を挙げた。同年に25歳でプロに転向したイングランド人選手は、2019年にユーロプロツアーでプロ初勝利を挙げた。昨季、フランスで開催されたチャレンジツアーの「ホップスオープン」を制覇したプラントは、最近、同じくフランスで開催された「ブロットオープン」でツアー2勝を挙げ、シーズン終了後のツアーカード(DPワールドツアーのシード権)獲得へ向けて大きく前進した。