欧州男子ツアー

マティ・シュミットが年間最優秀新人賞を獲得

2021/12/08 19:00
新人賞を受賞したマティ・シュミット※写真は2021年「マヨルカオープン」(Andrew Redington/Getty Images)

マティアス・シュミットがサー・ヘンリー・コットン年間最優秀新人賞を獲得した。ドイツ人選手としては、2007年のマルティン・カイマーに次ぐ2人目の快挙。今季躍進を遂げた24歳は、プロ転向からわずか3カ月で2022年DPワールドツアーのシード権を獲得した。

7月にロイヤルセントジョージズで開催された「全英オープン」にアマチュアで出場して59位。シルバーメダルを獲得したシュミットはその後、プロ転向すると、堂々たるパフォーマンスでゴルフを生業にできることを証明した。

アマチュアとして出場した6月の「BMWインターナショナルオープン」でトップ15入りを果たし、プロとして出場したヨーロピアンツアーでの最初の2試合で連続して予選通過を果たした。その後、9月の「ダッチオープン」で、優勝したクリストファー・ブロバーグと3打差の2位に入り、存在感を示した。

この成績が2022年シーズンのシード権獲得へ向け大きく物を言ったわけだが、シュミットはその後も「アルフレッドダンヒルリンクス選手権」でトップ10入りを果たすと、「マジョルカゴルフオープン」で11位に入るなど着実に成績を残し、「レース・トゥ・ドバイ」ランキングを114位で終えてシード権を手にした。

前述の通り、ドイツ人選手によるサー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞獲得は、シュミットが史上2人目。2007年にはカイマーが同賞を受賞し、その後、世界ナンバーワンに上り詰め、メジャーで2勝を挙げ、「ライダーカップ」のレジェンドとなった。

「2021年サー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞を頂き、信じられない気持ちです」とシュミット。「とてもハードな一年でしたが、プロとしての自分の船出をうれしく思っています」

「『全英オープン』でのシルバーメダル獲得は特別な達成でしたが、プロとしてプレーするのは、全く異なるチャレンジでした。自分はこのとても高いレベルで競い合うことができると思いましたし、それは将来への自信につながりました」

「わずか7大会の出場でDPワールドツアーのシード権を獲ることができたことを誇りに思いますし、この賞を勝ち取ることができたのは、これまで注いできたハードワークに対する素敵な報奨であり、素晴らしいボーナスだと思います」

ヨーロピアンツアーのキース・ペリーCEOは、「サー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞に選ばれたマティに、心からお祝いを述べたいと思います」と述べた。

「アマチュア時代の成績や、2021年『全英オープン』でのパフォーマンスから、マティが特別な才能を持っているのは明らかでしたが、プロとしての最初の数試合でのプレー振りで、彼は今後大きなことを成し遂げるであろうことを証明しました」

「長年にわたり、多くの偉大なドイツ出身選手が我々のツアーを華やかにしてきましたが、マルティン・カイマーに次ぐ2人目のドイツ人選手としてのこの賞の獲得は特別な業績です。我々はマティの進歩を見届けることを楽しみにしています」

トーナメント委員会のデビッド・ハウエル・チェアマンは、「トーナメント委員会を代表して、2021年シーズンに、サー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞にふさわしい素晴らしいパフォーマンスを見せたマティを祝福します」と述べた。

「アマチュアからプロゴルファーへの転向は、時として大きな困難を伴うものであり、『全英』でのシルバーメダル獲得により、さらにプレッシャーが増したのではないかと思いますが、彼は見事にこれをやり遂げましたし、自分の居場所はここであることをすぐさま証明して見せました」

「マティは素晴らしいゴルフの技量と強いメンタルを持っていますので、近い将来、間違いなく有力選手となると思っています。彼をツアーで見ることを楽しみにしています」

サー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞歴代受賞者

1960年トミー・グッドウィン(イングランド)
1961年アレックス・ケイギル(イングランド)
1963年トニー・ジャクリン(イングランド)
1966年ロビン・リドル(スコットランド)
1968年バーナード・ギャラハー(スコットランド)
1969年ピーター・オーステルハイス(イングランド)
1970年スチュアート・ブラウン(イングランド)
1971年デビッド・ルウェリン(ウェールズ)
1972年サム・トーランス(スコットランド)
1973年フィリップ・エルソン(イングランド)
1974年カール・メイソン(イングランド)
1976年マーク・ジェイムズ(イングランド)
1977年サー・ニック・ファルド(イングランド)
1978年サンディ・ライル(スコットランド)
1979年マイク・ミラー(スコットランド)
1980年ポール・ホード(イングランド)
1981年ジェレミー・ベネット(イングランド)
1982年ゴードン・ブランドJr.(スコットランド)
1983年グラント・ターナー(イングランド)
1984年フィリップ・パーキン(ウェールズ)
1985年ポール・トーマス(ウェールズ)
1986年ホセ・マリア・オラサバル(スペイン)
1987年ピーター・ベイカー(イングランド)
1988年コリン・モンゴメリー(スコットランド)
1989年ポール・ブロードハースト(イングランド)
1990年ラッセル・クレイドン(イングランド)
1991年パーウルリク・ヨハンソン(スウェーデン)
1992年ジム・ペイン(イングランド)
1993年ガリー・オー(スコットランド)
1994年ジョナサン・ロマス(イングランド)
1995年ヤルモ・サンデリン(スウェーデン)
1996年トーマス・ビヨーン(デンマーク)
1997年スコット・ヘンダーソン(スコットランド)
1998年オリヴィエ・エドモン(フランス)
1999年セルヒオ・ガルシア(スペイン)
2000年イアン・ポールター(イングランド)
2001年ポール・ケーシー(イングランド)
2002年ニック・ドハティー(イングランド)
2003年ピーター・ローリー(アイルランド)
2004年スコット・ドラモンド(スコットランド)
2005年ゴンサロ・フェルナンデス・カスターニョ(スペイン)
2006年マーク・ウォーレン(スコットランド)
2007年マルティン・カイマー(ドイツ)
2008年パブロ・ララサバル(スペイン)
2009年クリス・ウッド(イングランド)
2010年マッテオ・マナッセロ(イタリア)
2011年トム・ルイス(イングランド)
2012年リカルド・サントス(ポルトガル)
2013年ピーター・ユーライン(米国)
2014年ブルックス・ケプカ(米国)
2015年アン・ビョンフン(韓国)
2016年ワン・ジョンフン(韓国)
2017年ジョン・ラーム(スペイン)
2018年シュバンカー・シャルマ(インド)
2019年ロバート・マッキンタイア(スコットランド)
2020年サミ・バリマキ(フィンランド)
2021年マティアス・シュミット(ドイツ)