「スペインオープン」識者優勝予想 川村昌弘も候補
「レース・トゥ・ドバイ」は一路、クラブ・デ・カンポ・ヴィラ・デ・マドリードへ。今週は2021年「スペインオープン」が開催される。2018、19年と大会連覇を果たした世界ナンバーワンのジョン・ラームはタイトル防衛をかけて、ヨーロピアンツアー優勝経験のある強者たちの挑戦を受ける。では、誰が王座につきそうなのか? 識者が優勝を予想する。
今週もスカイスポーツのプレゼンターであるキット・アレキサンダー、そしてかつてレディースヨーロピアンツアーで選手やコーチとして活躍し、プレゼンターでもあるソフィー・ウォーカーの優勝予想を見比べてみよう。
キットの予想
世界ナンバーワンのラームは、前回2019年大会を制したディフェンディングチャンピオンとして前回と同じコースに臨む。9月の「ライダーカップ」では欧州代表として最も活躍。「全米オープン」でメジャー初優勝を遂げたほか、今年はストロークプレーの大会でほとんどトップ10入りを逃していない。圧倒的な優勝候補筆頭と目されるだけの、しかるべき理由がある。
「イタリアオープン」を制し、ヨーロピアンツアー優勝者として双子の兄弟であるラスムス・ホイゴーと肩を並べた20歳は、前週の「アルフレッドダンヒルリンクス選手権」での14位を含め、直近の5大会中4大会でトップ21入りを果たしている。クラブ・デ・カンポ・ヴィラ・デ・マドリードでは2年前に予選落ちしているものの、コースを知っているというポジティブな面を買いたいし、何より2年前より断然優れた選手に成長している。
日本人選手の川村昌弘は「アルフレッドダンヒルリンクス選手権」で予選落ちするまで好調を維持しており、同大会前の8大会ではトップ5に3度、トップ21に3度入っていた。彼が2019年に7位タイに入った今週のコースでは、その調子を取り戻すのではないかと読んでいる。川村はティからグリーンのストロークゲインド、平均ストローク、1ラウンドの平均バーディ数、そしてパー3の平均スコアなど広範なスタッツでトップ20入りしている。
ソフィーの予想
このイングランド人選手は、人生最高のシーズンを送っている。ツアー初優勝を遂げて以来、躍進を続けている。「ブリティッシュマスターズ」での優勝と、それ以外の5回のトップ5入りが物を言い、現時点で「レース・トゥ・ドバイ」8位につけている。
ブランドはフェアウェイキープ率でトップ20に入っているが、これはクラブ・デ・カンポ・ヴィラ・デ・マドリードで必要とされる能力である(私は同コースで行われたスペイン女子オープンでプレーしたことがある)。彼はアプローチ(グリーンを狙うショット)のストロークゲインドでトップ20圏内にランクインしており、平均ストロークを「69.58」としている。前週、ウィスリーGCで彼を見たが、親善マッチで9アンダーをマークしており、いつ、どこでティアップしようとも、良いゴルフをしている。
「スペインオープン」ではスペイン人選手が良いプレーをするものである。これがアドリを推す理由だ。過去にこのコースで良いプレーをしており、前週は24位に入っている。26歳は現在「レース・トゥ・ドバイ」のランキングを77位としており、これから開催されるスペインでの2大会で地の利を生かし、大幅なジャンプアップを狙っている。
パッティングで6位にランクインしているが、これはグリーンの小さいマドリードのコースで有利に働くだろう。
私が優勝候補筆頭に推す南アフリカ人選手はソリッドなプレーの持ち主。素晴らしい弾道を放つプレーヤーで、起伏に富んだコースでは助けになるだろう。同コースで開催された2019年大会にはトップ10入りを果たしている。
今季のハーディングの平均ストロークは「69.63」で10位にランクインしている。今季1勝の35歳は相性の良いコースでシーズン2勝目を期してティアップする。