2020年「ゴルフ in ドバイ選手権」を振り返る
2020年「ゴルフ in ドバイ選手権」は、最終日に見事「64」をマークして4打差を逆転したフランスのアントワン・ロズナーがヨーロピアンツアー初優勝を遂げた。
好スコアが続出したジュメイラGEファイアコースでの1週間で、印象に残った場面は次の通り。
ドバイで再び初優勝者が誕生
ロズナーは、最終日を1イーグル、7バーディ、1ボギーの8アンダーでラウンドし、長く首位の座を守っていたアンディ・サリバン、マット・ウォレス、同胞のマイク・ロレンゾベラ、そしてイタリアのフランチェスコ・ラポルタに2打差をつけて優勝を果たし、2020年「レース・トゥ・ドバイ」における14人目の初優勝者となった。
大会後、ロズナーは「あまりに多くの感情がわき上がっている。今年はモーリシャス、そしてバルデラマと2度、優勝に近づいたけれど勝ち切ることができなかったので、今週の自分のプレー、特に今日のプレーには非常に満足している。日曜の『64』というのは、いつだって素晴らしいスコアだから、こういう勝ち方ができたのは、自分にとってかなり大きいんだ。正直言って、何が起こっているか分かっていなかったんだ。僕はただ、マイクが良いプレーをしているのは知っていた。どこかの時点で、彼の名前はリーダーボードに出て来るようになったからね。僕は18番のグリーンに来るまで、自分が首位に立っていることを知らなかったんだ。実際のところ、それが少し助けになったかもしれないと思っている」と述べた。
冴え渡ったショーン・クロッカーのアイアンショット
アメリカのショーン・クロッカーは、ドバイでキレキレのアイアンショットを見せた。金曜の第3ラウンド、パー3の8番でティショットをラフに入れた。グリーンのフリンジへチップショットを打つと、ボールは加速してピンへと向かった。幸運にもショットはピンを直撃してホールインし、予期せぬ形でバーディを奪った。すると土曜に、この24歳は今大会で最もエースに近づいた選手となった。パー3の11番では、同組でプレーしていたスウェーデンのヨアキム・ラガーグレンとスコットランドのマーク・ウォーレンが揃ってOKパット圏内につけるなか、ピンを狙ったクロッカーのショットは、カップに嫌われる形でホールインワンを逃したのである。この組が同ホールにやって来た時点で、同ホールでのバーディ数は3つだったが、彼らがこのホールをプレーし終えると、その数は倍になった。
It looked in all the way 😩#GolfInDubai pic.twitter.com/1qSqDzyeoV
— DP World Tour (@DPWorldTour) 2020年12月5日
アンディ・サリバンが「59」の歴史的快挙に肉薄
ファイアコースがヨーロピアンツアーでのデビューを飾る中、サリバンは水曜の第1ラウンドで、コースの名に違わぬ烈火のプレーで怒濤の11アンダーをマークした。完璧なプレーで11バーディを奪取。ヨーロピアンツアー史上2人目の「59」達成をあとわずかで逃した。インスタートだったサリバンは、7番でこの日11個目のバーディを奪い、上がり2ホールを2アンダーでプレーすれば、オリバー・フィッシャーに続く2人目の快挙達成という状況をつくった。8番で惜しくも長いバーディパットを外したため、9番は2打でホールアウトしなければならないことに。2打目はピンそば2.1mにつき、「60」へのパットはカップの左へ外れた。それでも、彼は素晴らしいラウンドで「61」をマークした。
マイク・ロレンゾベラによるウェッジの美技
ハーフターンの前後でロズナーが猛チャージをかけた土曜の最終ラウンドでは、マイク・ロレンゾ・ベラが早い段階でサリバンとの優勝争いに名乗りを上げた。同胞のフランス人選手がどんどんスコアを伸ばすなか、ロレンゾ・ベラも13番で見事なロブショットを見せてタップインバーディを奪い、優勝戦線に踏み止まった。
クレイグ・ハウイーがドバイで目まぐるしいプレーを披露
スコットランドのクレイグ・ハウイーは木曜の第2ラウンドの出だし11ホールで、ジェットコースターのような展開を楽しんだ。この11ホールを6バーディ、3ボギー、2パーでプレーし、その間ファイアコースにてつかの間トップに立ったのである。ハーフターン前に波に乗った26歳は、4番をボギーとすると、5番から5連続バーディを奪い、通算13アンダーまでスコアを伸ばして首位に浮上するも、バックナインのスタートで2連続ボギーをたたいた。ハウイーは前回、UAEでプレーした際は、アマチュアとしてラウンドした初日に「94」をたたいていた。